「川崎はチェック厳しい」発覚免れようと国産混ぜたか 給食産地偽装
食品加工会社「寿食品」(相模原市中央区)=破産手続き中=が学校給食用の豚肉と鶏肉の産地を国産と偽った事件で、不正競争防止法違反容疑で逮捕された社長の鹿島敏裕容疑者(63)らが神奈川県警の調べに対し、納入先の6市のうち5市には外国産肉のみを納入する一方、川崎市については、国産肉も混ぜて納入していたと説明していることが、県警への取材で分かった。同市は食材の産地判別検査を独自に行っており、現場責任者らが「チェックが厳しい」と警戒していたためという。 【写真】寿食品の看板があるビル=2024年11月13日午前9時20分、相模原市中央区星が丘3丁目、三木一哉撮影 捜査関係者によると、鹿島容疑者らは外国産は国産肉に比べて色が白っぽく、見た目で産地偽装が発覚するおそれがあるとして、川崎市への納入5回のうち2回で、外国産と国産を7対3の割合で混ぜたという。外国産肉の解凍後に出るドリップを国産肉に吸わせる狙いもあったという。 この事件で県警は13日、鹿島容疑者ら同社の5人を逮捕。5人の逮捕容疑は昨年5~10月、産地証明書などに産地を関東と表示し、神奈川県の相模原、川崎、厚木と、東京都の多摩、稲城、府中の計6市の学校給食センターなど13カ所に、外国産を含む豚肉と鶏肉を納品したというもの。鹿島容疑者らは「10年以上前から外国産を混ぜることが常態化していた」と容疑を認めているという。 昨年9月に川崎市教育委員会が実施した抜き打ち検査で、産地偽装が発覚し、県警が会社と加工場などを家宅捜索して調べていた。(村上潤治)
朝日新聞社