「前向いてプレーしようぜ」指揮官のゲキに中島洋太朗が覚醒。別人のような振る舞いで、逃げずにトライ。素晴らしいパフォーマンスだった【U-17W杯】
鋭い縦パスを何度も通す
[U-17ワールドカップ]日本 1-3 アルゼンチン/11月14日/Si Jalak Harupat Stadium 【動画】川村がネットを揺らすも...日本、幻の同点弾 前半と後半でまるで別のチーム――。開始8分までに2失点を喫し、その後も相手の個人技をまったく止められない。もちろん、個の能力ではアルゼンチンに分があるのは戦前から分かっていたが、局面を打開する力は想像以上だった。 しかし、森山佳郎監督の一言が選手たちの目を覚まさせる。「このまま終わってどうるすんだ?」。 ポーランドとの初戦(1-0)同様、ハーフタイムに喝を入れられると、後半の日本は驚くべきパフォーマンスでアルゼンチンを押し込んだ。連動したプレスでボールを奪い、素早く攻守を切り替えて敵陣に雪崩れこむ。 選手全員がゴールに矢印を向け、消極的なプレーをする選手はひとりもいない。そうした姿勢が50分の得点を生み出した。 高い位置からプレスをかけると、相手は前方にボールを蹴り出す。そこからこぼれ球を拾い、右サイドに展開。右SB柴田翔太郎(川崎U-18)が相手をなんとか振り切り、深い位置から折り返すと、FW高岡伶颯が右足で合わせてゴールネットを揺らした。 その後も反転攻勢を続け、勇敢に立ち向かう。何度かあったピンチもGK後藤亘(FC東京U-18)が救い、1点差でゲームは終盤へ。 87分には右CKのこぼれ球をMF川村楽人(東京Vユース)が押し込む。しかし、これはGKに対するチャージで得点は認められず。日本は最後まで懸命にゴールを目ざしたが、逆に90+8分にカウンターから失点。1-3で敗れ、前半の出来が悔やまれる結果になった。 「後半はずっと日本のペースで進めることができた」と森山監督が振り返ったように、ハーフタイム以降の日本は出色の出来。アルゼンチンに対して後半は互角以上の勝負を演じ、お世辞抜きで称賛に値する内容だった。 個々が見違えるようなプレーを披露したが、巻き返しの立役者を挙げるとすれば、MF中島洋太朗(広島ユース)だろう。 前半は4-4-2のダブルボランチの一角で、相手のプレッシャーをいなせずに苦戦していた。ボールが入っても横パスを選択し、前向きにプレーするシーンはほぼ皆無。パスミスも散見し、攻撃の起点になるような働きはまるでできなかった。 しかし、後半はボールを受けても逃げずにトライ。ゴールに意識を向け、鋭い縦パスを何度も通した。セカンドボールに対しても鋭い出足で反応し、即座に回収して前に運んでいく。ゴールに結び付くプレーはなかったが、素晴らしいパフォーマンスだった。
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