<西園寺さんは家事をしない>ドラマPが語る第8話の見どころ “偽家族”が現実に向き合うとき 「西園寺さんがどう向かい合っていくのか注目」
今作の企画が動き始めた時から、大きな課題であり使命だと思っていたことの一つが、楠見の亡くなった妻、瑠衣(松井愛莉さん)の存在を大切に描いていくことでした。ラブコメディーである今作ですが、その明るさのすぐそばには、今はもう会えない大切な人の存在があります。それを決して忘れないように描きたいと思っていましたが、その描き方はとてもデリケートで難しいものでした。
切なくて悲しくて寂しくて、 でも、ずっと悲しみの中にいることが正しいわけでもない。喪失感から前を向いていく人の姿は、作品の中できちんと描いていきたいと思ったことの一つなので、たくさんの話し合いを重ねて作り上げています。
楠見と瑠衣は、強い絆と愛情で結ばれた夫婦でした。瑠衣が亡くなった後もその存在は決して消えることはないし、受け取るものは今もたくさんある。それを受け取った上で楠見はどう生きていくのか、何を思うのか。そんなことも見える回になれたら、と思いながら作りました。
終盤に向けての制作が進む中で、本当に難しいところに切り込んでいる自覚があります。本作は、「幸せって何? 家族って何?」という大きなテーマを掲げている作品でもありますが、回が進むにつれ、とんでもないところに足を踏み入れてしまったなという気がしていて……!
でも、それぐらい大きなテーマにこれだけ全力で向き合える作品に携われていることはすごく幸せだと思いますし、何より、キャストとスタッフが一丸となって、その難しいところに進んでいる。とても人に恵まれた作品だなと感謝しています。そんな大きなテーマに対して、後半に向けてこのドラマがどんな答えを出していくのか……現場にいる全員でずっと考えながら進めているので、最後までに一緒に考えてもらいながら、ドラマの行く末を見守ってもらえたらいいなと願っています。