王子HD、中国の紙おむつ事業は積極投資考えず-国内子供用から撤退
(ブルームバーグ): 王子ホールディングスの磯野裕之社長は、中国での紙おむつの製造・販売事業について積極的な投資は考えていないと明らかにした。同社は3月、子会社が展開する国内の子供用紙おむつ事業からは撤退すると発表していた。
磯野氏は5月下旬のインタビューで、中国での売上高は全体の10%にも満たないとしたうえで、「経済的なリスクを考えると、投資を増やすより今の現状を維持していきたい」と説明した。
日本や中国では少子高齢化が進む。中国の2023年の出生数は前年比54万人減の902万人となり、1949年の建国以来の最少となった。日本でも23年の出生数は過去最少を記録した。王子HDはすでに日本では大人用紙おむつ事業の強化にかじを切っており、人口動態が同社のビジネスモデルに大きな影響を与えることを示している。
磯野氏は、市場成長が見込めるマレーシアやベトナム、インドでの事業拡大を進める考えも示した。現在は約4割の海外売上高比率を「早い段階で半分以上に」したいと話す。
同社は4月、フィンランドで紙ベースの環境配慮型包装資材を手掛けるワルキの買収を完了した。脱プラスチックに伴う紙を使った包装資材の需要は高まるとみて、「他に似たような案件があれば考えていきたい」と企業買収への意欲を示した。
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Akemi Terukina, Shery Ahn