強打でつかんだ6年ぶり春切符 夏の主力残る作新学院 センバツ出場校紹介
11回目の出場となる作新学院(栃木)は、レギュラー9人中6人が昨夏の主力メンバーだ。試合経験が豊富な選手を中心に高い打力で昨年の秋季大会を勝ち上がり、6年ぶりとなるセンバツ切符を手にした。
夏の連覇ストップも
2021年まで10大会続けて夏の甲子園に出場していたが、昨夏は県大会準決勝で敗れ、連続出場が途切れた。「甲子園がない夏」を経て、昨秋は強力打線で快進撃をみせた。 県大会準決勝の佐野日大戦では、延長十回、打者12人の猛攻で一挙6点を奪い勝利を引き寄せた。決勝も18安打を放ち、青藍泰斗との乱打戦を制した。関東大会1回戦は、駿台甲府(山梨)に五回コールド勝利、2回戦では準優勝の専大松戸(千葉)に敗れたが、中盤まで互角の戦いを見せた。小針崇宏監督は「1番から9番までが打って、走ってと積極的に行くのが攻撃の持ち味」と話す。
6試合で51点の得点力
県大会、関東大会の全6試合で計51点の得点力を誇る。広角に打ち分けるバットコントロールに勝負強さと長打力を兼ね備える1番打者の高森風我は、打率5割8分3厘、出塁率も6割5分5厘。「相手投手の球が遅く感じるぐらい調子が良く、変化球の見極めもできた」と振り返る。 県大会準決勝では、磯圭太が同点となる2点本塁打を放ち、関東大会の駿台甲府戦では、斎藤綾介が本塁打で追加点を挙げた。
投手陣も層が厚い。エース川又楓は最速134キロの直球は数字以上に力強く切れがあり、右打者の内角を突く。スライダーやチェンジアップ、スローカーブを生かした緩急も巧みだ。1年生の小川哲平は、最速147キロの直球で強気に攻めるスタイル。磯や高森、市川春之介らも控える。継投のタイミングもポイントになりそうだ。 小針監督は「もう一度スタートラインに立って、さらなるレベルアップを目指したい」と気を引き締める。
OBに元巨人投手の江川卓さんら
1885年に「下野英学校」として創立。作新館、下野中学校などと改称を重ね、現在の校名となった私立の男女共学校。トップ英進・英進部、総合進学部、情報科学部があり、生徒数は3753人。2011年には、文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール」に指定された。陸上部や水泳部など全国大会で活躍する部活動は多数。
野球部は1902年創部で、部員は61人。甲子園は過去26回出場(春10回、夏16回)。62年には史上初の甲子園春夏連覇を達成し、2016年夏も優勝した。プロ野球のOBは八木沢荘六氏(元ロッテ監督)、江川卓氏(元巨人投手)ら。