「折り鶴再生紙」など“環境”意識のサミットバッグ 一方で海外メディアが指摘する「プラスチック」【G7広島サミット】
私たちが取材した企業では、各地から届いた大量の折り鶴を手作業で一つ一つバラバラにし、大きな水槽の中に投入してドロドロに。一般的な再生紙と違い、折り鶴再生紙はあえて折り紙の色を残した風合いの紙となっています。
折り鶴再生紙は、メモ帳やノート、ふせんなどに加工されるほか、広島の小中学校の卒業証書に使われるなど、広島ではとても“メジャー”な存在だと言います。
■海外メディア「素晴らしい取り組みだと思う」その一方で…
会場で配られたサミットバッグ。折り鶴再生紙をはじめとした記念品に対して、海外メディアなどからは「メモ帳を通してサダコの物語を伝えられると思う」「きれいなので家でも使うと思う」といった声がありました。 「サダコ」とは、広島市の平和公園にある「原爆の子の像」のモデルで、病床で折り鶴を折り続けた佐々木禎子さんのこと。 「日本に来る前にサダコと千羽鶴の話について聞いた。とても悲しい物語だが、このメモ帳を通して世界にこの物語を伝えるのにいいきっかけになると思う(メディア関係者)」 「ノートやメモ帳を買うときは再生紙かどうかを気にして購入しているので、家でも使います(NGO職員)」 一方で、国際メディアセンターの設備については厳しい声も。 「食事用のスプーンやフォークがプラスチックでできていることが気になった。容器も使い捨てなので食事の後はゴミがたくさん出ている。サミットバッグでは環境に配慮していることがわかるので、その差が気になった(NGO職員)」
■「折り鶴再生紙」を世界に
今回のサミットバッグに「折り鶴再生紙」を使ったメモ帳などを採用した理由について、外務省G7広島サミット事務局サミットバッグ担当・鈴木純佳さんは、「私はサミットをきっかけに折り鶴再生紙について知ったのですが、同じように初めて知った海外の方にも、そこに込められた思いが伝わればいいと考えています」「平和への願いが込められた折り鶴が世界中から送られてくること。たくさんの折り鶴が再利用されていることを知っていただく機会にしたいと考えました」と話しています。 平和への祈りを込め、各国から送られてきた折り鶴。再生され、新しい姿となって、再び世界へとかえっていきます。