<選抜速報>大阪桐蔭が履正社を8-3で破り5年ぶり2度目のV
第89回センバツ高校野球大会の決勝戦が1日、阪神甲子園球場で行われ、大阪桐蔭が履正社を8-3で下して5年ぶり2度目の優勝を飾った。昨秋の大阪大会の準決勝では1-6で敗れていたが、史上初の大阪対決となった甲子園で見事にリベンジを果たした。 天候不良を予想して順延となった決勝戦は、大阪桐蔭の一発攻勢から始まった。 初回、先頭打者の藤原恭大が履正社の先発、竹田祐のスライダーを捉えてライトスタンドへ高く舞い上がるソロアーチ。センバツでの先頭打者アーチは史上13人目。決勝戦では史上2人目の快挙だ。 さらに二回も二死から7番バッターの坂之下晴人が甘いストレートを見逃さずレフトへソロアーチを放ち2-0とリードを奪った。 試合前、大阪桐蔭の西谷監督は、「勝つと負けるでは天地の差がある。竹田投手はクレバーな投手。簡単に打ち崩せないので好球必打で粘りたい。キーマンの一人は藤原」と語っていたが、まさに好球必打が生んだ2本のアーチだった。 守っても大阪桐蔭の先発、徳山壮磨は、3つ四球は与えたが、5回まで履正社打線をノーヒットに抑える丁寧なピッチング。内角、外角とホームベースを幅広く使う配球が光った。 大阪桐蔭は1番バッターの藤原が、6回にも高めに浮いたボールを右中間スタンドへ今度はライナーで運ぶ。この日、2本目となるソロアーチで貴重な追加点を奪った。 履正社は、6回にようやく初ヒット。この回、先頭の西山虎太郎がライトフェンス直撃の三塁打で出塁したが、石田龍史が浅いライトフライ、溝辺冬輝がピッチャーゴロに倒れ、プロ注目の安田尚憲は四球で歩いたが、4番の若林将平も見送りの三振に倒れた。 このままでは終われない履正社は8回に徳山をつかまえた。 一死から石田がセカンドへの内野安打で出塁、二死となってから安田が左前打でつなぎ、一、三塁から若林が三遊間を破るタイムリー。さらに二死一、二塁から浜内太陽が左中間を破る同点のタイムリー二塁打。土壇場でゲームを3-3の振り出しに戻した。 しかし9回に大阪桐蔭打線が爆発。先頭の坂之下が右前打、バントで送り一死二塁から代打の西島一波がレフトフェンス越えの勝ち越し2ラン。さらに藤原がライトオーバーの三塁打、続く途中出場の根尾昂がレフトへのタイムリー二塁打を放ち1点を追加した。この回、結局、中川卓也、山本ダンテ武蔵の連続タイムリーなどもあって8-3とリードを広げて履正社を突き放した。9回は注目の“三刀流”の根尾がマウンドに上がり反撃を断ち、大阪のライバル校同士らしい好試合を制し栄冠を手にした。大阪桐蔭は一発攻勢で勝ったが、鍛えられた守備と選手層の厚さが目についた。