台風備え、備蓄の客続々 県内スーパー、ホームセンター 物流停止を懸念、在庫確保
富山県内のスーパーやホームセンターでは29日、台風10号の接近に備えて備蓄用の食料や防災用品を買い求める客が相次いだ。パックご飯や水では一部の商品が売り切れた。店側も物流網の停止を想定して通常より多く商品の在庫を確保し、台風最接近に身構えた。 【写真】非常用トイレを買い求める客 ●パックご飯半数売り切れ アルビス高原町店(富山市中川原)では、パック入りご飯や水といった日持ちのするものの商品棚で空きが目立った。 店では保存食品の棚にまとめ買いを呼び掛ける紙を貼って備蓄を勧めていたが、台風接近に伴い26日ごろからパックご飯が売れ始め、29日は棚にある商品の半数以上が売り切れた。店は従来の2割増しで発注し、在庫を確保した。 大島一夫店長は「物流の停止が懸念されるが、豆腐や牛乳などの日配品は前もって在庫を取って備える」と強調した。 ●店頭にまとめ買いコーナー アルビスアリス店(富山市五福)は店頭にパックご飯やレトルトカレーなどのまとめ買いコーナーを設けた。飲料をケースで購入する客も見られ、従業員は「保存の利くお菓子やカップ麺を多めに買っていく人が普段より多いと感じた」と話した。 ●非常用トイレ売れる 防災用品などをそろえるホームセンタームサシ富山店(中川原)では、ガラスの飛散防止に使う養生テープやブルーシート、ランタンなどの売れ行きがよく、非常用トイレが売り切れた。 養生テープを買いに来たパート従業員の男性(69)は「もっと早くから買い物をしておくべきだった。これから電池や水を準備しようと思う」と話した。 ●水、コメ売り場1.5倍 富山市堀川町の複合商業施設「マイプラザ」に店を構えるディスカウントストア「トライアル」では、災害時に需要が高くなる水やコメ、カップ麺などの売り場を通常の約1・5倍に増やした。防災用品として、入り口やレジ横付近など目につきやすい位置に配置し、懐中電灯や養生テープも通常より多く並べた。 現時点で欠品は出ていないが、今後の進路によっては不足する可能性もあるとみて、仕入れの増加を検討している。 10キロのコメを3袋買い込んだ富山市の会社員女性(43)は「週末は外出が難しくなるかもしれず、早めに買い込むのが安全と思った。まだ商品があってほっとした」と話した。 ●イベント中止、延期 台風10号接近を受け、29日、富山県内でイベントの中止、延期の決定が相次いだ。県日中友好協会と富山市日中友好協会は31日に富山市内で開催の「中国駐名古屋総領事館と富山県青少年交流会」の延期を決めた。日程は未定。魚津市障害者連合会と市は31日にありそドームで予定していた第41回市障害者体育大会の開催中止を決めた。 ●呉羽のつり橋閉鎖 31、1日 富山市は、呉羽山と城山の散策路をつなぐつり橋「呉羽丘陵フットパス連絡橋」を31日と9月1日に終日閉鎖すると決めた。連絡橋は昨年10月に一般開放され、天候による閉鎖は初めて。