『今日好き。卒業編2024 in セブ島』3話ーー“人生初”の大恋愛は実らず「幸せになって」
2月19日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。卒業編2024 in セブ島』(以下:今日好き)。現役高校生たちが3泊4日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。 【写真】旅の終わりを迎えるメンバーが決定 涙で送り出した相手とは……? 以下より、3月4日公開の3話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。 ・えいじ、旅の“4日目”でようやく出した決断「これからアピールしまくろうかな」 「ここで1日目が終了しまして、“波乱の2日目”へ参ります」。そんな前フリが、スタジオの“恋愛見届け人”を務めるかすから告げられた通り、2日目はまだ午後にもならないうちから“大事件”が巻き起こってしまった。 メンバー全員で、昨日同様に“旅の思い出”を集めたアルバム作りに勤しむ直前。男子と女子がそれぞれに別れて現状報告会をしたのだが、ここで思わぬ変化を見せた男子が。「オレはきさきちゃん(寺島季咲)で、これからアピールしまくろうかなって」。昨晩によほど考え込んだのだろうか。数時間前よりも、男らしく、大人っぽい表情になっていた、えいじ(吉田叡史)。前回の旅から数えると、4日目となる『今日好き』で、いよいよ覚悟が決まったようだ。 とはいえ、前述の「アピール“しまくろう”」という言葉選びに、意図の有無は定かではないが、えいじのきさきに対するスタンスの変化が表れていた。あるいは、表れざるを得なかったのか。前回の『卒業編2024 in プーケット』初日でこそ、きさきの心をがっしりと掴んでいたえいじ。だが、いまや彼女を巡ってのカップル成立合戦で、追い風はライバルのそうた(米山颯太)に吹いている。さらに、“コミュ力おばけ”な新メンバーのもねる(川尻杜音)も参戦し、状況は三つ巴としかいえない。 これまでの夢の時間は、儚く終わった。前々回の1話にて、大友花恋&かすのお姉様方から、えいじがモテすぎていることに軽く懸念を示されていたが、えいじにとって、ここからは挽回以外に幸せへの道はない。かつ、一度掴んだ手綱を、もう一度掴み直すのは至難の業。またしても千載一遇のチャンスを逃し、“追われる側”から“追う側”へと、いわば都落ちをさせられたわけである。もちろん、えいじが判断を先延ばしにしたのは、『今日好き』のルール上では問題がない行動。ただ、彼の“答え”を待ち、それでもアピールをし続けたそら(中川そら)にとって、この旅の1日目は苦しいくらいに長かったのではないだろうか。 ・そら、“人生で初めて”の大恋愛は実らず「今日好きで出会えてよかったです」 唯一の救いだったのは、えいじがこの後すぐ、そらに想いを伝えた点。この日の午後のグループ分け前に、そらを2ショットに誘う。えいじに声を掛けられたタイミングで、表情の動きこそあまりなく、彼女の感情を読み取ることは難しかったが、それでもふたりは長い付き合い。そらもこの後の展開を察し、自分のなかで“答え”を心に決めていたことだろう。 「オレは、きさきちゃんが好きだなって思ったの」。えいじの単刀直入な一言は、そらの涙の始まりだった。普段の『今日好き』であれば、好きな人を目の前にして、たとえふたりきりだといえど、涙を流すメンバーは少ない。理由は、どんなに頑張っても、相手を困惑させてしまうから。だからこそ、ここまでぼろっぼろに大粒の涙を零すそらの姿からは、彼女がどれだけえいじを好きなのかが伝わってくる。相手を困惑とか、考えている余裕がない。 「自分からこんなに好きになったの、人生で初めてだから、それがえいじくんでよかったなって思えるし、大好きだからこそ、えいじくんには幸せになってもらいたいから」。「だから本当に、今日好きで出会えてよかったです」。今回のオンエアで、そらはどこまでも偉かったように感じる。自身の気持ちを正直に態度で示しながら、それでもえいじときさきの未来に向けて後押しをする。思えば、そらを慕ったるい(村澤瑠依)が、そうだったように。想いの連鎖がここまで繋がり、次はえいじの番だ。となると、そら自身の旅は……。 ・そら、るいと同タイミングでのリタイアは偶然か、必然か 先ほどの2ショットを終えてひとり、全員のもとに戻ったえいじ。メンバーはうっすら、そらが一緒にいないことを不安げに感じる様子だったが、えいじが前回の旅からの“答え”を出したと口を開くと、きさきが“ん、えっ?”と眉をぴくりとさせ、そうたは“あぁ、そうか~”とすべてを理解し、瞳を閉じて言葉なく感嘆していた。 ここで、そらがようやく姿を現す。間違いなく、えいじとの間でなにかがあった。そんな理由を恐る恐る尋ねる前に、そのときは、突然にやってくる。「自分の気持ちは届かなかったので、自分勝手だけど、ここで旅を、終わらせてください」。 “そのとき”とは、別れの瞬間。あまりの衝撃に、読者各位も忘れていたかもしれないが、まだ旅は2日目のグループ行動すら始まっていない時間帯。“たった1日”でのリタイアなんて、『今日好き』の長い歴史を振り返っても、おそらく見たことがない。……と書こうとしたところで気がついた。前回の『卒業編2024 in プーケット』でのこと。偶然か、あるいは必然か。るいもまったく同じタイミングで、そらに最後の“告白”をしていたことに。 前述のえいじの決断に対して、スタジオの井上裕介(NON STYLE)は「自分のなかであったんじゃない? 1日目が終わっても、2泊3日は残るじゃん。“そこの余白分までには”って」とコメントしていた。そらには旅を続けて、新たな恋のきっかけを見つけてほしい。そのために、自分からなるべく早く、気持ちを話してあげねばならない。えいじはもしかすると、そう考えたのかもしれない。 ただ、それは普段の『今日好き』でのみ通用する話。ひときわ強い想いを抱いてきたそらにとって、選択肢はえいじとの恋か、リタイアかしかなかったのだろう。世の中、“検討する”と伝えられ、締め切り直前に“無理”と言われてもどうしようもないもの。締め切りギリギリまで決断を先延ばしにするのは、相手の想いにかけた梯子を外す際の“責任”の重さが増していくのと同義である。 ・それぞれが感じた責任ーー心を軽くしてくれた、そうた&まうにも注目 改めて感じさせられた、“1カ月後に再集合する”という特別ルールの罪深さ。先ほど“責任”と書いたが、それでも登場人物の誰も責めることはできないからこそ、もどかしいところである。えいじ、そしてきさきもまた、各々の十字架を背負っていたに違いない。女子メンバーがそらに駆け寄った際、きさきが躊躇する姿が確認されたが、スタジオからのコメント通り、「きさきが(そらを慰めに)行くことが正しいかといわれると非常に複雑」な想いは納得できる。 わずかに心を軽くしてくれたのは、まう(小國舞羽)が女子メンバーの誰よりも涙していた点。そらと過ごしたのは昨日のたった1日のみだったが、『夏休み編2023』にて、そらと同じ境遇を味わったからこそ、その気持ちや辛さに共感してしまったのだろう。また、そらがえいじだけでなく、そうたに対して笑顔を向けて「いつも支えてくれて心強かった」と感謝を示したことも同様。“気になる相手”から、いわば“戦友”に。恋だけではない、『今日好き』で育まれた人との繋がりの温かさを感じる瞬間だった。 そらとえいじの物語に、ついに終止符が。同時に、そらは高校3年生ということで、この旅の終わりが、そのまま『今日好き』からの卒業となった。さらに次週、2人目のリタイアが発生し、ここからどんどんメンバーが減っていくとか……。これってもはや、人狼とかそういう感じ?
一条皓太