曳山の絆で地震からの復旧協力 射水・新湊から高岡・伏木へ応援、道路の泥取り除く
富山県射水市の「新湊曳山(ひきやま)まつり」の山町の一つ、立町の住民が4日、道路の液状化現象など地震被害が目立つ高岡市伏木地区に駆けつけ、復旧作業を手伝った。新湊と伏木は曳山を通して以前から交流があり、伏木の住民からの要請を受けて4人が集まった。協力を受けた住民らは「祭りの絆に感謝したい」と話した。 立町の住民が訪れたのは、伏木曳山祭を伝承する山町の一つ「石坂町」がある伏木錦町。一帯では1日の地震で、液状化現象や路面の隆起、地割れなどの被害が多発している。避難所や親戚宅に身を寄せる住民も多いといい、復旧作業の人手が不足していた。 立町と石坂町は曳山の最上部に飾る標識(だし)が同じ「壽(ことぶき)」という縁から交流があり、2022年の祭りから互いに曳き子を出し合っている。4日は立町の住民4人と石坂町の住民15人が、石坂町公民館周辺にたまった泥をスコップでかき出し、土のう袋に詰めて道路脇に集めた。
使用した土のう袋は半日で200枚を超えた。立町総代の吉倉秀樹さん(54)は「実際に来てみると想像以上に被害が深刻だった」と言い、「これからは小さな町同士、祭り以外の場面でも助け合いたい」と話した。復旧作業への協力も、今後の状況をみて続けていくつもりだ。 石坂町の柴田裕之さん(58)は「助けに来てくれて本当にうれしい。住宅の被害が多いが、弱音を吐かず頑張りたい」と語った。