店舗運営の支援へ ぐるなびが厨房機器販売 【WBS】
5日オープンした飲食店向けの厨房機器などの販売店を手がけているのは、グルメサイトなどを展開する「ぐるなび」です。「ぐるなび」では今、サイトを通じた集客だけではなく、店舗運営全体を支援するサービスに力を入れています。いったい、なぜなのでしょうか。 東京・神田に店を構える「や台ずし」。職人が握った寿司を食べながら、居酒屋の雰囲気を味わうことができ、全国に340店舗を展開しています。 この店が半年ほど前に導入したのが、モバイルオーダーというシステム。席にあるQRコードを客がスマホで読み込み、注文することができます。導入前は、客に用紙に記入してもらって寿司の注文を受けていました。 「呼ばれる回数が減るので、少ない人数でも店を回せる」(「や台ずし」エリアマネージャーの小池幸弘さん) 実はこのモバイルオーダーはグルメサイトなどを展開するぐるなびのサービスです。人手不足などから効率的に店を運営する方法を考えていたところ、ぐるなびから提案があったということです。 「一人の来店だと注文しづらい部分もあると思うが、効果を発揮している。客の単価は上がっていると思う」(小池さん) ぐるなびは、こうした飲食店の運営のサポートをさらに強化するための新たな拠点を5日にオープンしました。 「ぐるなびとしては初めての小売りの店舗です。看板には『飲食店総合プロデュース』とあります。中にはシンクが並んでいます。奥は厨房の作業台です」(田中瞳キャスター) ぐるなびは2022年に中古の厨房機器を販売する「テンポスHD」と業務提携。この店はフランチャイズの1号店で、調理道具や食器などおよそ30万点の商品を揃えました。
店内にはぐるなび独自の売り場もあります。 「雰囲気の違うフロアにやってきました。こちらにはぐるなびのモバイルオーダーシステムが展示されています」(田中キャスター) こちらではキャッシュレス決済に対応したレジのシステムや券売機など、飲食店のデジタル化を支援する商品を販売。競合する10社ほどの商品が並んでいて、来店した客は比較して選ぶことができます。 さらに「こちらがコストカット商材。物価高、人手不足が続いているので、コストカット、人手不足が解消できる商材を並べておくことが非常に重要」(ぐるなびの今村俊一常務執行役員) こちらは業務用の急速冷凍機で冷やしたアルコールに真空パックした食材をつけると、5分ほどで冷凍状態になります。食材の廃棄ロスの削減に繋がるといいます。 この店舗の狙いについて今村常務執行役員は「開店を支援して、ぐるなびとしての接点を増やす。最初に選んでもらって、ずっと付き合っていくことが一番いい」と話します。 ぐるなびはコロナ禍で打撃を受けた飲食店によるサービスの解約が相次いだことなどから、業績が悪化。今年3月までの1年間の決算は4年連続の最終赤字になる見通しです。飲食店のオープンから運営まで総合的に支援することでサービスを利用する店舗を増やし、業績を回復させる考えです。 「ぐるなびにとっても生き残りをかけた取り組みか」(田中キャスター) 「非常に苦しい中で出展を選択した。必ず飲食店と一緒に這い上がりたい。生き残りをかけた中で様々なチャレンジをやっていく」(今村常務執行役員) ※ワールドビジネスサテライト