やる気を保ちながら時間管理できる。「POSECメソッド」実践法
あらゆることを実行し完了するには、1日の自分の時間を管理することが重要。しかし、そう言うのは簡単ですが、行なうのは難しいことも。 そんなときは、「POSECメソッド」を試してみてください。これはマズローの有名な欲求段階説を反映した、日々満足感が得られる方法で、その結果やる気も継続します。
「POSECメソッド」とは何か?
まず最初に、広まっている通説では、このメソッドはSteven Lamという人が発明したと言われていますが、私が調べたところ、その主張を裏付ける書籍やリンクはありません。 あるのは、誰がこのメソッドを考案したのかというものではなく、自分にどれくらい効果があったかという個人の体験談やブログ記事だけです。 「POSECメソッド」とは、「Prioritize(優先順位を決める)」「Organize(整理する)」「Streamline(効率化する)」「Economize(有益に使う)」「Contribute(貢献する)」の略。 自分がやるべきことの順番をつけたリストではなく、やるべきことをどのように検証するかという方法論で、マズローの欲求段階説を指針としています。 マズローの欲求段階は、仕事の満足度などを含むあらゆるものに適用できる真の満足感に到達するには、まず生理的欲求(食欲、排泄欲、睡眠欲など)をどのように満たすべきか、というのをピラミッド型の図で表しています。 「POSECメソッド」でも同じで、具体的なことに取り組む必要はあるものの、真の目的は常に満足感や充足感であるべきだということです。 「ポモドーロ・テクニック」のような仕事の方法論とも同じ考え方で、セッションに集中するために、その間に休憩を取る必要があり、それによってリラックスもでき、やる気も持続します。
「POSECメソッド」を使って時間管理をする方法
優先順位を決める(Prioritize) 「POSECメソッド」の最初の原則は、優先順位を決めることです。 大きな仕事のプロジェクトから、試験勉強、家の掃除、子どもの習い事の世話など、やらなければならないことをすべて書き出します。母親に電話する、友だちとお茶する時間を取る、お気に入りの番組を見るというような、小さなことも忘れないでください。 すべて書き出したら、やるべきことを小さな作業に分解し、今の仕事に関係ない昔のメールへの返信や、もっと大掛かりで急いで片付けなけれればならないものがある場合にコーヒーマシンのお手入れすることなど、本当に必要ではないものを外します。 仕事のプロジェクトを終わらせなければならない場合、「どのような小さな手順を踏む必要があるのか」という 仕事を終わらせるのに必要なすべてのことに優先順位をつけます。 タスクを緊急度と重要度で分類する、「アイゼンハウアー・マトリクス」のようなシステムを使うのが理想的です。 整理する(Organize) 「POSECメソッド」の2番目の原則は、整理することです。 優先事項をすべて書き出し、順番を決めたら、その日やるべきタスクが明確になります。 そこから、大きな仕事1つ、中くらいの仕事3つ、小さな仕事5つに分ける「1-3-5の法則」のような、ToDoリストを作成します。 効率化する(Streamline) 効率化する段階に来たら、先ほど不要だと判断して除外した、必須ではない仕事にもう一度向き合います。 そのような仕事を、「誰かに頼むことはできるか」「自動化は可能か 」「完全に除外するべきか」 などをもう一度検討します。 それから、除外しなかった仕事について、委任や自動化、ほかのものと組み合わせるなど、効率化する方法を考えましょう。 有益に使う(Economize) 次は、ToDoリストに残ったすべてのスケジュールを作成して、時間を有益に使います。 「タイム・ボクシング」も駆使して、やらなければならないことから、個人的な楽しみまで、大小さまざまなものすべてに時間を割り当てます。 嫌だけれど必要な雑事から、自分には意味のある楽しみまで、すべてのことにその日の時間をつくるのが目的です。 貢献する(Contribute) 最後にやるのは貢献です。 ドーパミンが出るような達成感のある活動だけでなく、身の回りの人たちに価値をもたらすような仕事も取り入れた方が良いです。ボランティアをする、友だちの引越しを手伝うなどです。 自分の時間を他の人のために使うのは、コミュニティとの関わりを保つ大事な方法です。 「POSECメソッド」では、ピラミッドの一番下にある自分の目標ややるべきことを優先しますが、そこから個人的な楽しみや、ほかの人の1日を充実させるための頂上に向かって進んでいくことが可能です。 個人的な楽しみと、いわゆる良いことをする時間を取ることで、優先順位が一番低い仕事をするモチベーションを保つことができるのです。
的野裕子