【明日の金ロー】最新作「100万ドルの五稜星」とのつながりも!?「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」
12日の金曜ロードショー(後9時)は、同日に公開される劇場版最新作「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」に合わせ、2019年の劇場版「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」を放送。「―五稜星」では、主人公・江戸川コナンのライバルである怪盗キッドがキーパーソンとなっていることから、キッドが登場する劇場版のうち、最も直近に公開された作品となっている。 物語の舞台はシンガポール。空手トーナメントに出場する京極真を応援するため、ヒロインの蘭や友人の園子らは現地に降り立つ。その横には工藤新一もいたが、実は怪盗キッドが変装した姿。コナンは特殊なスーツケースに入れられ、キッドに連れて来られたのだった。 キッドの狙いは、トーナメント優勝者に与えられるベルトに付けられたブルーサファイア「紺青の拳」。だが、その宝石を巡って現地では殺人事件が起こるなど、きな臭い動きがあった。キッドが事件の容疑者とされる中、現地の子供に化けたコナンは陰謀に立ち向かうが、その裏にはさらなる秘密が隠されていた―。 以前、金ローで「劇場版コナン」が放送された時にも書いたと思うが、同シリーズには大きく分けると、派手なアクションが見どころの作品と、謎解き重視の作品との2パターンがある。今作は、思いっきり前者に寄ったもの。謎解きの作品の方が好きな記者としては、やや物足りない点があることに加え、最後の展開がかなりご都合主義的なところが気になったりもする。ただ、本作があったことで、今年の「―五稜星」が生まれたということは間違い無い。 というのも、本作のメガホンを執ったのは最新作の監督でもある永岡智佳さん。原作者の青山剛昌氏が本作の出来を気に入ったことで「同じ怪盗キッドが登場する作品であれば、永岡さんに『―五稜星』を任せたい」との意向があったという。永岡監督自身もキッドには強い思い入れがあるそうで、〝相思相愛〟の末に今年の作品が誕生したというわけだ。 見直してみて気付いたのだが、本作の中で、それを〝予言〟しているかのようなシーンがあることも面白い。コナンは新一に変装したキッドに眠らされてシンガポールに連れて行かれるのだが、現地に到着後、日本にいる阿笠博士や灰原哀(今作では登場シーンが少ないので、ファンは残念かも…)に伝える言い訳が「用事があって北海道に行く」。最新作「―五稜星」の舞台は北海道の函館。本作が公開された5年前の時点で最新作のストーリーが完成していたとは考えにくく「奇妙な偶然」、いや「運命」を感じさせた。 ちなみに、個人的に最もツボなのは、後半で物語の真相に関わってくる海運会社の社長の名前が「中富(禮次郎)」であること。アクション映画好きな人であればピンと来るでしょう。ブルース・ウィリス主演の人気シリーズ第1作「ダイ・ハード」の物語の舞台となるのが、ウィリス演じる主人公ジョン・マクレーンの妻が勤務する「ナカトミ・コーポレーション」が入る「ナカトミビル」でした。(高柳 哲人)
報知新聞社