本郷奏多、井浦新、高杉真宙は作品ごとに全く別の顔に 『光る君へ』“掛け持ち”俳優たち
吉田羊
『光る君へ』(NHK総合) 『不適切にもほどがある!』(TBS系) 吉田羊は『光る君へ』と『不適切にもほどがある!』の2作。『光る君へ』では藤原詮子として円融天皇(坂東巳之助)に入内するも、父・兼家(段田安則)の謀によって、宮廷を追い出されてしまう。政の道具として扱われ孤独を抱えながらも、弟の道長、そして愛息子の懐仁親王(石塚陸翔)を思う、心優しき姉であり、母親だ。『不適切にもほどがある!』では社会学者であり、フェミニズムの旗手・向坂サカエ役。主人公の市郎(阿部サダヲ)やタイムスリップした先の昭和という時代に、ツッコミを入れていく役回り。吉田は年始に放送されたバカリズム脚本のドラマ『侵入者たちの晩餐』(日本テレビ系)に出演していたことも記憶に新しい。
三浦翔平
『光る君へ』(NHK総合) 『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系) いまだ『光る君へ』にはその名前しか登場はしていないものの、ここで取り上げるべき存在として特例で紹介する。三浦翔平が演じるのは、道隆の嫡男・伊周。『おっさんずラブ-リターンズ-』で三浦は、警察学校時代からの繋がりがあり同居人の和泉へと密かに好意を寄せる六道菊之助を演じているが、『光る君へ』では井浦と親子の間柄で芝居をすることになるのだ。道隆の引き立てにより伊周はスピード出世を果たすが、その後、道隆が亡くなることが公式サイトでも明らかになっており、共演はおそらく短い期間となることだろう。否が応でも和泉と菊之助を想起するタイミングであり、話題になることは必須だ。 『光る君へ』キャスト陣以外にも、複数の作品を掛け持ちしている俳優は多くおり、特筆すべきは3作品に出演している志田彩良、関水渚、比嘉愛未。志田は『消せない「私」』と『こんなところで裏切り飯』(中京テレビ)の主演2作と『アオハライド Season2』(WOWOW)、関水は『彼女と彼氏の明るい未来』(MBS)と『ブラックガールズトーク』(テレビ東京系)の同じく主演2作に『婚活1000本ノック』(フジテレビ系)、比嘉は主演作の『作りたい女と食べたい女』(NHK総合)に、『新空港占拠』(日本テレビ系)と『アオハライド Season2』。中でも『消せない「私」』と『こんなところで裏切り飯』で、全く異なる“幸せ”の笑みを見せる志田の芝居が光っている。
渡辺彰浩)