アウディ、「TT」シリーズ最後の1台がラインオフ 25年の歴史に終止符
独アウディは11月15日(現地時間)、25年間にわたって製造してきた66万2762台の「TT」シリーズ最後の1台となるクロノスグレーの「TTS」がラインオフしたと発表した。 【画像】初代TT(クーペ) ハンガリー北西部にあるジェール工場から出荷された最後の1台は、ドイツのインゴルシュタットにあるアウディの歴史的車両コレクションの特別な場所に収められる予定という。 TTクーペは、1995年秋にフランクフルトで開催されたIAA(Internationale Automobil-Ausstellung:国際モーターショー)でスポーツカーのコンセプトモデルとして発表。1998年に初代がデビューして以来、3世代にわたって製造されてきた。1年後の1999年にはオープンモデルの「TT ロードスター」を発表。 第2世代のTTは、2006年にクーペ、2007年にロードスターが登場。 A3のプラットフォームをベースに、マグネティックライドを備えたアダプティブダンパーを初採用したほか、2008年には272PSを発生する2.0リッターターボエンジンを搭載したスポーツモデル「TTS」を発売。さらに1年後には、340PSを発生する直列5気筒2.5リッターターボエンジンを搭載した「TT RS」と、360PSの「TT RS plus」を発売した。また、2008年にはディーゼルエンジンを搭載したスポーツカー「TT 2.0 TDI quattro」を発売している。 2014年には第3世代が登場。デザイナーは1998年の初代TTのラインを現代風に再解釈し、ダイナミックな面構成にしつつも、TTのレタリングが付いた丸い燃料タンクキャップは世代を超えて忠実に継承。 また、従来のアナログ計器とアウディ独自のMMI(Multi Media Interface)モニターから、完全デジタル計器パネルとなる「アウディ・バーチャル・コックピット」を初採用。さらに、2016年には有機LED(OLED)を初めて搭載した。 そのほかにも、エキサイティングなエンジンの1つで、400PSを発生する直列5気筒2.5リッターターボエンジンは、スポーティなサウンドを誇り、9年連続で「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれた。
Car Watch,編集部:塩谷公邦