資金調達に奔走した嫁たち、息子は潜在的大統領候補…強くなったトランプ一族[トランプ当選](1)
7月18日当時ドナルド・トランプ前米国大統領が共和党大統領候補を公式に受諾する全党大会にはトランプ氏の族が総出動して舞台に勢揃いした。トランプ執権第2期の「家族政治」再来を知らせるシグナルも同然だった。大統領選挙中にも「家族事業によって米国で一つのブランドになった『トランプ家』はトランプの再執権で再び政治権力の中心に立ち、『トランプ王朝』の構築に出る」〔ザ・ヒル(The Hill)〕という見通しが繰り返し出ていた。 ◇「強硬保守への忠誠度さらに高まる」 事業家出身で政治人脈の弱かったトランプ氏は前回執権時も家族を政府要職に登用した。当時は家族政治の中心に長女イバンカ(43)夫婦がいた。だが、第2期は長男トランプ・ジュニア氏(47)と彼のフィアンセであるキンバリー・ギルフォイル氏(55)、次男エリック氏(40)とその妻ララ夫人(42)が前面に出ることが予想される。これら4人は7月共和党全党大会で賛助演説にも登場して目を引いた。 トランプ子女3男2女のうち、トランプ・ジュニア氏、イバンカ氏、エリック氏は最初の妻イバナ氏の実子で、次女ティファニー氏(31)は2人の妻マーラ・メープルズ氏の間で生まれた。末息子のバロン氏(18)はトランプ氏と現在の妻メラニア夫人の間の唯一の子女だ。 テレグラフは「ホワイトハウスと共和党でトランプ家族の影響力がより一層拡大するとの展望が支配的」と伝えながら、再選失敗後に側近の変心を経験したトランプ氏が家族に一層依存する可能性があると指摘した。第1期で中心的な役割を果たしたイバンカ夫婦が穏健保守志向だった反面、第2期の実力者に浮上したトランプ・ジュニア氏らは一層強硬な保守志向を持ち、トランプ氏に対する忠誠心が一層高く家族政治がさらに強固になる可能性も提起される。 ◇人事権行使を示唆した長男…「潜在的大統領選挙走者」 トランプグループのトランプ・ジュニア首席副社長は第2期の「水面下の権力者」に挙げられる。トランプ・ジュニア氏は今回の大統領選挙レースで「友軍」集めの先鋒に立ち、選挙運動戦略家として最前線で奔走した。 自身と懇意なJ・D・バンス上院議員が副大統領候補になる過程で影響力を発揮した。 また、民主党を離党して無所属大統領候補に出たロバート・ケネディ・ジュニアがトランプ氏支持に回るように数カ月間にわたり水面下で動いた。トランプ・ジュニア氏は「父の政策を覆そうとする人々が(次期)政府に入れないように阻止する」としながら、人事権を行使する意向を露骨に明らかにした。 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はこれに対して「父親の政治的戦略を操縦している」と伝えた。若い男性投票者の心を攻略するためにトランプ氏がさまざまなポットキャストに出演するように促したのもトランプ・ジュニア氏だった。「マクドナルドで働いたことがあると主張するハリスよりも、父のほうがここのメニューをはるかによく知っている」と発言し、数日後トランプ氏がマクドナルドの店舗で一日スタッフとして登場することもあった。 トランプ・ジュニア氏は大統領選挙レース真っ最中の8月、韓国を訪れて父親に対する暗殺未遂事件に言及し、父親の強靭なリーダーシップについて話をしたこともある。また、昨年から自身の名を冠したポットキャストを運営して父親の政策を広報し、トランプ氏が再選失敗後に提起した「不正選挙論」も擁護した。 一部では第1期当時、ホワイトハウス上級顧問を務めたイバンカ氏と夫のジャレッド・クシュナー氏(43)のように、ホワイトハウスで公式の肩書を持つ可能性があると観測している。父親譲りのショーマンシップと政治感覚で共和党員の間で人気が高いトランプ・ジュニア氏を潜在的な大統領選挙走者と見る目もある。ガーディアンは「米国政界ではバンス氏が次期共和党大統領候補に出る場合、トランプ・ジュニアをランニングメイトに指定する取り引きをした可能性があるとの推測も出ている」と伝えた。