夏の甲子園で選手の熱中症疑いは58件、56人 朝夕2部制は来年も継続の方向
京都国際の初優勝で幕を閉じた第106回全国高校野球選手権大会の大会本部は23日、今大会で熱中症疑いがあった選手の人数などを発表した。 【写真】担架で運ばれる選手 照りつける日差しの下でタイブレークの死闘 大会を通じて計58件、56人の症状が確認されたという(2人が同じ試合の試合中と試合後に症状)。このうち、試合中に足がつるなどの症状が見られたのが37件、37人。試合後、もしくは理学療法士が入る試合後のクーリングダウン中に症状が見られたのが21件、21人だった。 昨年の第105回大会では大会計34人で、そのうち、試合後に症状が出たのは1人だった。ただし、クーリングダウンは新型コロナウイルス感染拡大の影響で前回大会まで中止しており、今大会から再開。大会本部は「理学療法士が試合後も選手を注意深く観察したり、丁寧に聞き取ったりした結果、試合後に時間が経過して症状を訴える選手も細かく把握できるようになったと考えています」と見解を述べた。 また、午前と夕方の2部制を実施した第1~3日(7~9日)の熱中症疑いは計8件(8人)で、このうち、4件は夕方の部での発生。58件のうち49代表が初戦を終える第7日(13日)までの発生が35件35人あり、全体の約6割を占めた。 今大会から始めて導入された2部制について、志方浩文大会本部委員長は「第2試合が終わる頃の暑さを考えると、夕方の方が選手は良いだろうなというのは思いました。今年やって、来年やらないということは考えにくい。今年の課題を持って、来年は今年以上の対策を考えていかないといけない」と来年も継続する方針であると言及した。課題の一つとして「初日の第3試合で、夜の試合の負担がかかったんだなというのは、しっかりと受け止めたい」と言及。原則行わない予定だった16時以降の試合でのクーリングタイムを大会4日目から実施するなど、柔軟に方針転換も行っていた。今後、代表校にアンケートをとるなど検証を行う。