若手ミュージカル俳優の登竜門であり名曲の宝庫 ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』本日開幕
2001年にフランスで生まれ、日本では2010年にまず宝塚歌劇団が初演、2011年には宝塚版と同じ小池修一郎の潤色・演出による男女混合キャスト版が誕生し、両バージョンともたびたび再演されている『ロミオ&ジュリエット』。その男女混合版の3年振り6度目となる公演が、本日5月16日(木) に東京・新国立劇場 中劇場で開幕する。 【全ての写真】ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』2024年主要キャスト20名 人気の秘密は、まずはジェラール・プレスギュルヴィックによる躍動感あふれる音楽。ロミオ、ベンヴォーリオ、マキューシオが若さを爆発させる《世界の王》、ロミオのソロ《僕は怖い》、ロミオとジュリエットの出会いのデュエット《天使の歌が聞こえる》、ふたりが愛を誓う《エメ》など、ミュージカルコンサートで取り上げられることも多い名曲の宝庫だ。 もうひとつは、上演の度に次世代の若手が配されるキャスティング。2011年の初演時には、当時若手ミュージカル俳優の筆頭株だった城田優と山崎育三郎がロミオ役を、そしてオーディションで選ばれた無名の新人、昆夏美とフランク莉奈がジュリエット役を務めた。ほかにも浦井健治や平方元基らが出演していたことから、本作はミュージカル俳優の登竜門的存在に。その後は古川雄大、柿澤勇人、甲斐翔真らがロミオを、清水くるみ、生田絵梨花、木下晴香、葵わかならがジュリエットを演じ、登竜門の座を揺るぎないものとしてきた。 そんなタイトルロールを今回演じるのは、小関裕太と岡宮来夢、吉柳咲良と奥田いろは(乃木坂46)の4人。また、かつて大貫勇輔や宮尾俊太郎らが務めた死のダンサー役には、栗山廉(K-BALLET TOKYO)とキム・セジョン(東京シティ・バレエ団)が挑む。ほかにもフレッシュな顔ぶれが揃っており、ここから今後の日本ミュージカル界を背負う俳優が羽ばたいていくのは間違いないだろう。 加えて今回は、小池が「ロミオ&ジュリエット2024~ポスト・コロナの恋人たちへ」とのタイトルをつけてコメントを発表していることも話題。シェイクスピアの古典が原作でありながら、携帯電話が登場するなどの現代的な演出が見られるのは初演からだが、今回は現代を生きる観客により一層寄り添った最新版『ロミオ&ジュリエット』が期待できそうだ。 文:熊田音子