【K1】金子晃大インタビュー「カエル」「無」「感謝」…ワールド全開の“金子問答”
「K-1ワールドMAX」(7日、代々木第2体育館)で「-55キロ世界最強決定トーナメント」が行われる。8人参加の同トーナメントで現K-1ワールドGPスーパーバンタム級王者・金子晃大(27=K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM)がカンボジアの“クンクメール最強の男”IPCCクンクメール世界-54キロ王者のカン・メンホン(22)と対戦する。K-1は3日までに金子のインタビューを公開した。 -金子選手は、今回の試合からチーム名が新しくなりました 「はい。FROGです」 -カエルってことですよね 「まあ、そうなってきますね。はい」 -カエルに特別な意味はありますか 「意味はないですけど、カエルかなって。なるとしたら」 -なるとしたら 「ええ」 -よくカエルの動画を見ているという話を聞いたことがありますが本当ですか 「はい。暇な時とか。寝る前とかもそうですね。練習終わった後とか」 -カエルのどういったシーンを見るのですか 「捕食シーンですね」 -捕食と格闘技の戦いが、少しリンクするところがあると 「それもあるのかもしれないですね。まあ、捕食してるようなものなので、試合っていうのは」 -そうした動画から、何かインスピレーションみたいな感じるんですか 「そうかもしれないですね。入ってるのかもしれないですね。捕食の感覚というか。ニュアンスが(格闘技に)」 -ヘビとかも瞬発力があったりすると思うんですけど 「また違うっすよね。ヘビとカエルとじゃ。やっぱり、カエルの方が、淡々と食べるんで。ヘビの方が好きなんですけどね。でも、ヘビの方が強いからといってヘビの方に行かない。それが、カエルなんですよ。そこでヘビに行っちゃったら、面白くないんで」 -カエルが、淡々と餌を食べるところに興味があると 「無っすよね。無。捕食するとき、無じゃないですか」 -会見では「無」がテーマとも話していましたね 「無ですね。自分に対しても、トーナメントに対しても無っす。己との戦いなんで」 -ポーカーフェースというかドヤ顔せずに 「だから無ですよ、無。そう言うことかって。淡々と食っていく、捕食していくっていう感じです」 -今年3月のRISE対抗戦で、鈴木真彦選手へのリベンジを達成しました 「そうですね、一つの目標としては。まあ、それを目標にやっていたわけではないですけど、単純にもう流れが来ていたからそのままやっちゃおうかなって。やっぱり、すぐできるものではないんで、対抗戦は。そこを1個クリアできたっていうのは良かったっす」 -今回-55キロ世界最強トーナメントに出場されるが、-70キロ世界トーナメントでは日本人選手3人が負けてしまっている 「まあ、なめんなよって感じっすね」 -日本人全滅に関して? 「いや、単純になめんなよって言う、もう、全てに対して」 -魔裟斗さんがいた頃の-70キロのK-1MAXと違い、日本人最強は階級を下げて-55キロが世界最強という自負は 「だから、もうなめんなよって感じ」 -それは、誰が誰に対して 「いや、もうだから全てです」 -世界王座のベルト持ってるのに、1回戦から出させるなんてと 「いやいや、ほんとマジなめんなよって。ただそれは、出さないですよ僕は。試合にも持って行かないです。今の感想聞かれたから、最初の言われた時の率直な意見がそれです。ただ、もう無なんで。ま、来るなら来いと。無っすね。無。それは別に対戦相手だけじゃないです。全てに対してなめんなよと思ったっすけど。まあ、無っすよね」 -55キロ世界最強トーナメントの全カードが揃いました。出場選手を見て 「感謝という言葉しか出てこないです。“無”から“感謝”ですね」 -出ましたね「感謝」。記者会見では「感謝」という言葉を何回も使っていました 「このトーナメントに向けてだったり、僕に対する思いのある選手だったり、そういうのを色々含めて感謝という位置付けです」 -1回戦の相手がカン・メンホンというクンクメールの最強選手に決まりました。クンクメールはカンボジアの国技で、ムエタイと同様の競技だと思いますが、111戦82勝ってすごい戦歴があります 「そういうキャリアのある選手が、わざわざ日本に来てくれてやるというのは本当感謝だなと」 -玖村将史選手は4回目の対戦をアピールしています 「4度目までできるという、そこがまた感謝だなと。4度闘えるっていう。そこに対して感謝を持ちながらやっていこうかなと思っています」 今回のトーナメントに新世代の大久保琉唯選手が入っていることについて、批判の声も出ていたりする 「人に対してのそれは、なんとも思わないですよ。僕も、なんで入ってるんだって思ったですけど、ただ、それは決まったことなんでなんとも。それに対して言われても言われなくても僕の問題じゃないんで」 -世界最強トーナメントの格が落ちてしまうみたいな 「そもそも格があると思ってないですよね、このトーナメントに対して。振り出しに戻ってるんで。だから格とかないですよね」 -世界一を決める振り出し 「振り出しっていうか、僕のやってきたことの振り出しに戻ったなって。鈴木戦が終わって、そして鈴木戦の前に戻ったみたいな。すごろくで言ったら」 -金子選手は、独特の世界観を持っていますよね。つい、いろいろなことを聞いて答えを求めすぎてしまいます 「答えを求めすぎると、またおかしなことやっちゃうんですよ。なんとなくでいいんです」 -今の時代、結構答えを求めるじゃないですか 「自分で考えて、自分で分からないと意味がないと思ってて。答えを聞いちゃったら、そこの面白さがなくて。もし、そこを何年後かにこういうことだってなれば、そっちも面白いかなと俺は思うっすね」 -自然体というか。ニュートラルに感じるままに生きているように見えます 「そうですね。思ったことを本当に言ってる。感じたこと。それを口に出すことによって、それが本当に生きてくるんで」 -鈴木戦の前は「死神」がテーマでしたね 「最初は訳がわからなくても、試合が終わってみたら死神だったじゃないですか。それでいいんです」 -ストーリーが繋がると 「繋がるんですよ。その繋げるまでが、会見から試合終わるまでのそれが仕事なので。もう会見で答えを言っちゃって、答えがそこで出ちゃったら、試合終わっても面白くないじゃないですか。意味が、意味でなくなっちゃいます。そこで死んじゃうんで。答え言っちゃったら」 -そこは、ファンも金子ワールドを楽しんでほしい 「わかんなかったらわかんないんですけど、なんとなくでいいんですよ。完全理解しないで、なんとなく分かるじゃないですか、この死神とか。なんとなくですけど、それでいいのかなと思っています」