開発好明の大規模個展が東京都現代美術館で開催 社会の小さな声に寄り添いコミュニケーションを生み出す作家の30年にわたる活動を展観
2024年8月3日(土)より、東京都現代美術館では、『開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ』が開催される。身近な出来事への関心を起点に、他者とのコミュニケーションを重視する表現活動を行ってきた現代美術家・開発好明(かいはつ よしあき/1966-)の、都内美術館初となる大規模な回顧展だ。 【全ての画像】《未来郵便局》ほか『開発好明 ART IS LIVE―ひとり民主主義へようこそ』広報用画像(全9枚) 1993年に多摩美術大学大学院を卒業して以来、現代作家として活動してきた開発は、すでに30年以上のキャリアを持つ。初期にはニューヨークやベルリンに滞在して制作・発表を行い、2001年には第4回岡本太郎現代芸術賞で優秀賞を受賞。その活動は絵画、写真、パフォーマンス、インスタレーションなど多岐にわたるが、毎年3月9日を「アートの日」とする「39(サンキュー)アートの日」の発案・提唱や、自分や友達に書いた手紙が1年後に届く《未来郵便局》など、多彩で継続的なプロジェクトが知られている。 2011年の東日本大震災関連では、仲間たちと義援金を集めて移動するチャリティー展覧会「デイリーアートサーカス」(2011、2012、2013、2014)や、原発事故発生後の南相馬に休憩所を建て、政治家に招待状を送る《政治家の家》(2012-)、青森から福島にかけての湾岸地域の言葉の変化や方言を収集する《ことば図書館》などのプロジェクトを実施した。 小さな声に寄り添い、社会構造や制度、共同体に個人的に介入していく。そんな開発好明のスタイルは、「ひとり民主主義」とも呼ばれている。 会場では開発の、初期から直近までの作品やプロジェクトから約50点を紹介するとともに、日々作家が展示室で何かをし、来場者を巻き込んでいくLIVEな展覧会が繰り広げられる。会期中は、100人の講師たちが100の授業を行う「100人先生」ほか、トークイベントやライブパフォーマンス、ワークショップなども盛りだくさん。スケジュールなどの詳細は展覧会ホームページで確認を。 <開催概要> 『開発好明 ART IS LIVE―ひとり民主主義へようこそ』 会期:2024年8月3日(土)~11月10日(日) 会場:東京都現代美術館 企画展示室 3F