岩田明子氏（ホリプロのホームページから）

　元NHK解説主幹でジャーナリストの岩田明子氏は5日、日本テレビ系「ウェークアップ」（土曜午前8時）に出演し、石破茂首相（67）がなかなか「石破カラー」を打ち出せない背景について分析した。石破首相を「縛っている」人物として、たたき上げで、与野党に人脈を持つ老練な手腕で知られる森山裕幹事長（79）の存在に触れた。 【写真】就任会見前に言葉を交わす石破茂総裁と森山裕幹事長 　これまでの独自カラーをなかなか出せない状態に陥っている石破首相を、「縛る」人物はだれかと問われた岩田氏は「特に側近議員が中にいないということもあって、森山幹事長の影響力は非常に大きいと思う」と指摘。「森山さんは（裏金問題の対応に当たった）政治刷新本部の時も調整で汗をかかれたし、岸田さんの相談にも乗っている。野党のパイプもあり、事実上の国会対策委員長的な動きもされている。いろんな方に信頼されている」と述べた。 　その上で「多分、石破さんは、どんどんどんどん森山幹事長に頼っていく構図は強まっていくのではないか。今回の解散のタイミングについてもそうですよね」と述べ、首相就任前は予算委員会などの与野党論戦後の解散総選挙を描いていた石破首相が、突然「10月解散総選挙」に方針を変えた背景に言及。これは森山氏らの進言があったとみられている。 　今は独自色を「封印」している石破氏が、一定の時間がたてば「石破カラー」を出せるのかと問われた岩田氏は「まずは今回の衆院選を無事に乗り切るということ。裏金問題があるので（自民党の）議席がどれくらい減ることになるのか。議席が減れば『選挙の顔ではない』として、求心力がさらに弱まることにもなる」と述べ、まずは衆院選の結果が影響することになるとの見方を示した。 　その上で「年末は経済対策の規模をめぐるいろんな議論が活発化しますが、横やりがたくさん入って思うように進まないことも予想される。来年は参院選を控えるという特殊な年になってきますが、ここで党内がガタついてくると、なかなか石破カラーは出しづらい。参院選が終わるまでは、石破カラーというものは出しづらいのではないか」とも指摘。来年の参院選が終わるまでは、石破首相の独自色発揮は難しいとの認識を示した。