居酒屋チェーン「鳥貴族」

居酒屋チェーン「鳥貴族」の海外初店舗となる台湾1号店が9月20日、台北市中心部の日系百貨店「新光三越」台北南西店内で正式オープンし、同15日からのプレオープン期間に引き続き大勢の来店客でにぎわった。年内に台湾で3店舗がオープンするのをはじめ、韓国・香港にも進出予定で、アジア市場開拓に第一歩を記した。 【全画像をみる】居酒屋「鳥貴族」海外初店舗が台北で正式オープン。アジア市場開拓へ一歩 「鳥貴族」はエターナルホスピタリティグループ（=旧鳥貴族ホールディングス　本社・大阪市）が運営。台湾の店舗は養鶏や外食を手掛ける台湾の大成集団（大成グループ）の傘下企業と合弁で運営する。 台湾1号店が出店した「新光三越」台北南西店は、台北駅からも近い台北メトロ（MRT）中山駅周辺に位置し、人通りの多いエリアだ。 同店は国内では税込み370円均一メニューで知られるが、台湾では焼き鳥やハイボールなど国内とほぼ同メニューながら、調味料など多くの食材を日本から輸入するため100台湾ドル（約450円）均一とやや高い設定となった。 それでも主なターゲットは若年層で、15日からのプレオープン期間中の平均客単価は同社の見込み通り約500台湾元（約2250円）だったという。 現地で会見したエターナルGの大倉忠司社長は、インバウンドの増加によって「日本の焼き鳥や鳥貴族というブランドが浸透している」との見解を示し、今後新規出店の重点は東アジアや米国など海外に移す姿勢を強調。9月28日には韓国、また年内には香港、米国にも現地1号店を出店する。 合弁を組んだ大成集団の韓家寅・副総裁も、台湾で「少なくとも60店舗の展開が可能」との見方を示しており、「今後は毎年4～5店ペースでの出店を予定している」と説明。2号店は台北の新都心にあたる信義地区にオープンするという。 「鳥貴族」店舗数はフランチャイズ店を含めて600店以上にのぼり、居酒屋のブランド別店舗数では国内1位とされる。運営するエターナルホスピタリティGでは、コロナ禍後の順調な業績、財務の安定を背景に海外での成長を目指す戦略を前面に打ち出し、「第二の創業」として今年5月に従来の「鳥貴族ホールディングス」から「永遠」や「もてなし」に由来する現社名に変更して準備を進めていた。