羽田事故の捜査長期化か、警視庁 発生半年、過失の有無慎重に判断
羽田空港で1月に起きた日航機と海上保安庁機の衝突事故では、警視庁が業務上過失致死傷の疑いを視野に、海保機の機長や管制官らの聴取を進めている。2日で発生から半年。関係者の立件には、それぞれの認識や過失の有無を慎重に判断する必要があり、捜査は長期化するとみられる。並行する運輸安全委員会の調査も道半ばで、詳しい原因解明にはまだ時間がかかりそうだ。 警視庁は事故後、滑走路の現場検証などを実施した。炎上した両機とのやりとりを確認し、3月末までに管制官13人を事情聴取。全身やけどを負った海保の男性機長(40)には事故直後に加え、医療機関を退院した3月下旬以降も話を聴いた。日航側とは調整が進まず、機長や乗務員らの聴取はできていない。 国土交通省が公表した交信記録では、管制官が海保機に「ナンバー1(1番目)」と離陸順を伝え、滑走路手前までの走行を指示。進入を許可した形跡はないが、海保機は指示を復唱後に滑走路へ入った。管制官は海保機との交信後、他の航空機とやりとりを続けた。