信州に春告げる桜に育て 県南部の飯田線の駅、カンザクラなど植樹 開花時には多くの観光客
「信州に春を告げる村」とうたう天龍村の平岡地区にあるJR飯田線の伊那小沢駅構内で29日、村がカンザクラや河津桜計5本を植樹した。駅周辺の桜は県内で最も早く開花することで知られるが、近年は枯れるなどして全盛期の半分ほどに。村は改めて観光資源として地域の活性化につながれば―と願っている。 【写真】咲き競う伊那小沢駅周辺のカンザクラと河津桜(22年3月撮影)
同駅は静岡県境から2駅目。5種類10本の桜がたたずむ。村によると1936(昭和11)年に駅開業記念でカンザクラ3本を植えて以降株分けなどで増やし、開花時期には多くの観光客が訪れている。
公益財団法人日本花の会(東京)の桜の名所づくりアドバイザー森田和市さん(85)によると、駅周辺は天竜川の東西に連なる山々が冷たい西風を遮り、かつ太陽光を反射して暖かいため「県内で最も早く咲くのでは」と話す。
この日はカンザクラが満開となる中、永嶺誠一村長や駅利用者らが高さ1・5メートルほどの苗木を植えた。祖母と訪れた飯田市松尾小2年の小林かれんさん(8)は「今ある桜の木より大きくきれいになってほしい」と話していた。