【ライブレポート】スキマスイッチが日本武道館で大忘年会!「本当に素敵な1年になりました」(大橋卓弥)
■開場中のBGMもスキマスイッチのふたりがセレクト!「めちゃくちゃ選ぶの楽しかった」(常田真太郎) 【画像】日本武道館公演の様子(ライブ写真全5枚) スキマスイッチが12月22日、怒涛の2024年を締めくくる武道館での大忘年会を開催した。 「忘年会だー! はじまったー!」とライブ中のMC第一声で常田真太郎が声を上げれば、「やっぱりこれだよね!」と大橋卓弥が続く。 年末恒例イベントとなった武道館でのワンマンライブ。2021年より毎年12月22日に開催してきたこのライブでは、過去には前代未聞の漫画とのコラボレーションやライブフルコースと題したコンセプチュアルなものまで、実験的とも言える様々な試みを行ってきた。 そんななかにあって、2024年に発表されたタイトルは『スキマスイッチ“POPMAN’S Year-end Party! 2024”』。そう、スキマによるスキマファンのための忘年会だ。この、ストレートさこそ、今年のスキマスイッチにはふさわしい。チケットは立ち見も含めてソールドアウトと、スキマスイッチの2024年がいかに充実していたかを物語る期待感で会場は大いに膨らんでいた。 暗転したあと、ステージ左右にある大型LEDビジョンにはこの日のために制作されたアニメーションが映し出される。CDショップでたまたま試聴したスキマのCDに魅了された瞬間から、スキマの音楽とともにこの1年を過ごしていくというストーリーがアメコミ風のイラストで展開していく。ここに集まったファンの多くが、自分を主人公にして現実とアニメーションの世界をダブらせるという趣向だ。 それにしても、全速力で駆け抜けた1年だった。ハイライトと呼べる瞬間がいくつもあって、特に彼らの念願だった主催フェス『スキマフェス』では、地元である愛知県のAichi Sky Expoの野外会場に2日間で約4万人を集めた。そこから、フェス直前にリリースしたアルバム『A museMentally』を引っ提げてのツアーがスタートし、それは2025年の3月まで続く。だから今年は、“Year-end Party!”でなければならなかったのだ。 アニメーションからシームレスにつながり、ライブが幕を開けた。ストリングスも交えた特別仕様のバンドを従え、「ユリーカ」から始まったライブは圧巻のひと言だ。ここから、ニューアルバムにも収録されている「ゼログラ」を軸として、一気に4曲を披露した。 やっぱり忘年会だね、という結論を噛み締める大橋と常田が、「せっかくだからみんなで乾杯しよう」と呼びかけ、オーディエンスは各自持っているペットボトルの水などを掲げた。オープニングのアニメーションも同期して、「カンパーイ!」、1万人の大忘年会だ。 「ミスターカイト」から始まったブロックは、この特別なライブでしか味わえない、スキマスイッチ流の音楽でのおもてなしを感じられる構成になっていた。静謐さと激動が入り混じる「ミスターカイト」、そして「Revival」「Lovin’ Song」と『おっさんずラブ』主題歌2連発、さらにはスキマスイッチのクリスマスソング「クリスマスがやってくる」をパフォーマンスした。 彼らが、いかにこの日のライブに来てくれるオーディエンス、それからCS放送のテレビで見ている人たちや全国の映画館、ライブハウスでのライブビューイングに参加しているファンのことを考えているかが伝わってくる選曲がうれしい。ちなみに、開場中のBGMもスキマのふたりによるセレクトだったということが、MCで明かされた。 「めちゃくちゃ選ぶの楽しかった」(常田) 「僕らの世代に馴染みのあるクリスマスソングばかり」(大橋) そしてここからは、スキマスイッチの冬ソングを披露するゾーンへ。実はあまり季節感を感じさせないように曲をつくっているということだが、「これは絶対に冬だよねっていう曲をお贈りします」(大橋)。 「冬の口笛」から、石成正人のギターによるクリスマスソングをミックスした繋ぎで「願い言」、さらに「ボクノート」に続いて、「君と願いを」で締め括った。ストリングスがあってこそ映えるファンタジックな楽曲がクリスマスムードをグッと高めた。 最初に観たコンサートは誰だったのか、という話や子供の頃の夢などの話から今回のメンバー紹介へ。そのあとは、怒涛の後半ブロックを駆け抜ける。 「逆転トリガー」から「Ah Yeah!!」まで5曲、ノンストップで盛り上がった。「Ah Yeah!!」の最後のサビでは銀テープが会場に舞った。 「やっぱこれだな!(笑)。これ、またやりたいな。デビューして22年目ですけど、ライブが好きで好きで、毎年ツアーをやらせてもらってます。ツアーでは全国のホールでやることが多いんですけど、それは皆さんの住む街に僕らが会いに行って音楽を介して一緒にハッピーになれたらいいなと思っています。本当に素敵な1年になりました」(大橋) 本編最後は「奏(かなで)」。彼らからの感謝の気持ちが詰まった音楽の贈り物だ。これまで何度も歌ってきたこの楽曲は、歌うたびにいつも不思議な気持ちになるのだと大橋は言った。それこそがきっと“音楽のちから”なのではないだろうか。 アンコールには「藍」、そして最後は「全力少年」でスキマスイッチpresentsの2024年大忘年会が幕を閉じた。 TEXT BY 谷岡正浩 ■『スキマスイッチ “POPMAN’S Year-end Party! 2024”』 2024年12月22日(日)東京・日本武道館 <セットリスト> 01.ユリーカ 02.パラボラヴァ 03.ゼログラ 04.吠えろ! 05.ミスターカイト 06.Revival 07.Lovin’ Song 08.クリスマスがやってくる 09.冬の口笛 10.願い言 11.ボクノート 12.君と願いを 12.逆転トリガー 13.ガラナ 14.ゴールデンタイムラバー 15.スフィアの羽根 16.Ah Yeah!! 17.奏(かなで) [ENOCORE] 18.藍 19.全力少年
THE FIRST TIMES編集部