手取り「19万円」の保育士です。1人で30人の子どもを見て、夜は持ち帰りの仕事でもう限界です。どうにかならないのでしょうか…?
保育士は持ち帰り仕事が多い?
保育士は持ち帰りの仕事が多いといわれています。大分県が2018年に行った調査によると、現役保育士の71%が「持ち帰り仕事があった」と回答しています。持ち帰りの仕事にかかった時間は「10時間以上」が52%と半数を超えており、持ち帰りの仕事にかかる負担の大きさがうかがえます。 同調査では持ち帰りの仕事の内容として、以下が挙げられました。 ●行事の準備 ●保育計画等の書類作成 ●クラス便りの作成 ●季節の掲示物の作成 ●新年度の準備 ●勤務表作成 ●発表会の大道具、衣装づくり 日中の業務時間内は子どもの対応に追われ、事務作業や製作を業務時間内に終わらせることができず、自宅に持ち帰る人が多いことが推測されます。
保育士の労働環境の改善
国は保育士の処遇改善を行うなど労働環境の改善に取り組んでいます。2022年2月からは月額9000円(収入の3%程度)程度の賃上げが実施されました。その給与の引き上げを継続できるように、2022年10月からは公定価格(子ども1人あたりの単価)に「処遇改善加算III」が加わりました。 また自治体によっては独自に保育士の配置基準を設け、園側の負担を少なくするなどの取り組みも行っています。 保育士と聞くと「大変なのに給料が安い」というイメージがある人も多いかもしれません。手取りは20万円未満で持ち帰りの仕事も多いなど、想像以上に過酷な労働環境であることがわかりますね。 保育士の待遇を良くするための施策は行われているものの、依然として業務量と給与が見合っていないと感じる保育士も多いことでしょう。今後、保育士の待遇がより良いものになるよう期待しましょう。 出典 厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 大分県 保育現場の働き方改革に関するアンケート調査結果について(概要版) 執筆者:山田麻耶 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部