上級者が意識する「スウィングのリズム」の本質とは!?【ゴルフメカニクス研究所 #7】
ゴルフに関する様々な理論に精通するインストラクター・大庭可南太が、ツアープレーヤーに見る「スウィングのリズム」について着目する!
こんにちは。ゴルフインストラクターの大庭可南太です。さて今週行われましたLPGAツアー「LPGAドライブオン選手権」では、ネリー・コルダ選手が1年2カ月ぶりとなる優勝を果たしました。終盤で3打差を縮めてプレーオフでの優勝というドラマチックな展開もあり、ネット上ではそのスウィングの動画があふれかえっていました。 ネリー・コルダについては人気選手ですのでスウィングの動画をご覧になったことがある方は多いと思いますが、とにかく「リキみ」がまったく感じれられない、流れるようなリズムのスウィングながら、当然ですがちゃんと距離も出ているわけですね。 「そりゃ手足が長くてスタイルがいいからそう見えるんだ」というご意見もあるでしょうが、男子のマキロイ選手同様、「誰もがマネしたいスウィング」の一例であることは間違いないでしょう。 じゃあ何をマネするかというと、ほとんどのアマチュアの方は「トップのポジション」とか「フィニッシュのスタイル」とか外見の「形」を気にされるわけですが、上級者になるほど「スウィングのリズム」「テンポ」といったことを意識される傾向があるように思えます。推しのプロの「形」だけをマネしても「なんか違う」となるのは、スウィングの本質である「リズム」に着目していないからかもしれません。
リズムとテンポ
とかく上級者ほど「良いリズムでスウィングできればだいたいナイスショットになる」といったことをおっしゃるのですが、そもそもリズムとは何でしょうか。 「リズム」は、古くは「チャー・シュー・メン!」に代表されるように、スウィング動作を行う際の拍子を指します。「チャー」で始動、「シュー」でトップ、「メン」でダウンスウィングを行うのであれば「三拍子」ということになります。これはプレーヤーによってそれぞれの「リズム」があり、たとえばバックスウィングをゆっくり上げる選手であれば、そこで二拍子を使って全体で四拍子にしても良いわけです。 「テンポ」はその拍子を遂行するまでの時間になります。同じ三拍子でも、短い時間で終えるのであれば「テンポ」が速いことになります。 「そうか、じゃあいろんなショットごとに、なるべく同じようなリズム・テンポで振ることが大事なんだな⁉」と思われた方は、それはそれで間違いではないのですが、もう一歩進んで「良いリズムとは何か」を考えていただきたいのです。