勝利をたぐり寄せたのはキラートリック「第6回マイナビ日本スケートボード選手権大会」女子ストリート種目
大会レポート
【ラン1本目】 決勝での自分の調子を確認する時間として重要である一方で、その後の試合展開を左右するランとなりうるラン1本目。今大会では大半の選手がランの途中でトリックをミスする展開。その中でも早々に60点台を叩き出し次のランとその後のベストトリックに向けて着実に得点を残したのは松本と織田の2名だ。 他選手が満足のいかないランを見せる一方で、その雰囲気を吹っ切る力強いランを見せたのは決勝進出者の中で最年少11歳の松本雪聖。最初からスピード感のあるライディングを見せると、中央のロングレールでの「キックフリップフロントボードスライド」、その後もダウンレール「キャバレリアルフロントボードスライド to レギュラー」をメイクし会場を湧かしていく。最後は同じく中央のロングレール「バックサイドフィーブル to 180アウト」を決め切りフルメイクし61.12ptをマークした。 そんな松本のランの後に滑走し、彼女の得点を超えて見せたのは準決勝1位通過の織田夢海。織田は全体的な落ち着いたライディングの中に高難度のトリックを詰め込むライディングを披露。8段のステアのハンドレールでは「バックサイドスミスグラインド」や「フロントサイドフィーブルグラインド」を、中央のロングレールでは「フロントサイドブラントスライド」をメイクした。それ以外にもバンクでの「キックフリップ」など随所にトリックを入れたランで61.46ptをマーク。高得点ながらもその表情には余裕があり、その姿は世界最高峰の舞台で結果を残してきた彼女の強さを感じさせた。
【ラン2本目】 決勝ではベストランが採用されるため1本目でミスをした選手にとっては、表彰台獲得を考えた時にここで高得点を残しておかないといけないプレッシャーも掛かるラン2本目。選手の多くがミスをして1本目より得点を上げられない中、1本目のミスをカバーし得点を伸ばしたのが、杉本、藤澤、赤間の3名だ。 1本目では中央のダウンレールにかけるギャップオーバーの「バックサイドリップスライド」でミスをした杉本二湖。2本目では見事修正し「バックサイドリップスライド」を綺麗にメイク。その後も「フロントサイドブランドスライド」や「バックサイドヒールフリップ」などをメイクして59.87ptをマークしベストスコアを引き上げた。 また同じく1本目のミスを修正したランを見せたのは今年の「日本OPEN」の勝者である藤澤虹々可。藤澤は全体的にグラインド系を綺麗に決めるライディングで「フロントサイドスミスグラインド」や「フロントサイドフィーブルグラインド」をメイク。そして1本目では少しスピードを抑え過ぎたことでミスした「ポップショービットフロントサイド50-50」を中央のロングレールで見事メイクしスコアを55.19ptとした。 そしてこの2本目で決勝ランの最高得点を叩き出したのが赤間凛音。今年の8月に開催された「SLS TOKYO」の公式練習時に転倒して怪我を負ったことから、しばらく療養していた彼女が競技へ復帰し今大会に出場。赤間の代名詞でもある「バーレーグラインド」を1本目でミスし、得点を伸ばせないでいた中で挑んだ2本目では「フロントサイドフィーブルグラインド」や「フロントサイドビックスピン」などを序盤に決め、中盤では1本目のミスを見事修正し「バーレーグラインド to レギュラー」をメイク。最後は「フロントサイド180スイッチノーズグラインド」を決め、ランをノーミスで終えて63.00ptをマークした。
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