デビュー50周年のレジェンドバンドTHE ALFEE、昭和・平成・令和…時代に応じて音楽性を発展させてきた“奇跡の3人組”
2024年でデビュー50周年を迎えたTHE ALFEEのアニバーサリーイヤーを締めくくる特集が、12月31日(火)昼5時より9時間にわたって衛星劇場で放送される。「デビュー50周年記念 大晦日年越しはTHE ALFEE」と題した同特集では、1990年4月1日に大阪・花博の開幕イベントとして行われた「The Alfee Live In EXPO '90」、2004年のデビュー30周年記念ライブ「THE ALFEE CONCERT 2004」を含む5公演を年またぎで楽しむことができる。始動から半世紀を迎え、日本で最も数多くのライブを開催してきたロックバンドとして今なおパワフルに加速するレジェンドバンド・THE ALFEEの歴代ライブ映像に浸りながら最高のカウントダウン、ニューイヤーが過ごせてしまうという企画だ。そこで今回はそれぞれのライブの見どころを解説する。 【写真】特集のトリを飾る「The Alfee Live In EXPO '90」では見ても聴いてもエキサイティングな展開が繰り広げられる ■“1+1+1=∞”のレジェンドバンド 12月31日(火)の夕方から年明けまで、CS初放送も含む秘蔵映像もたっぷり含みつつ、ライブバンドとしてのTHE ALFEEの魅力を、家に居ながらにして楽しめる今回の特集。視聴者の中には「このライブの時、この会場にいた!」というファンもいるかもしれないし、「この時チケットが取れなかったんだよなあ」的なファンも、収録時期にはまだ生まれていなかった後追いのファンも大いに溜飲を下げるに違いない。 「デビュー50周年記念 大晦日年越しはTHE ALFEE」最初のプログラムとなる「YOKOHAMA RED BRICKS I&II」(昼5:00-夜8:00)は、1996年の8月に神奈川・横浜赤レンガ倉庫で行われたサマーイベントの模様が味わえる。「無言劇」「踊り子のように」など1970年代より歌われていたナンバーから、当時の最新アルバム『LOVE』からの「LOVE NEVER DIES」(アルバム発表前にシングルとして発売)、「CAN'T STOP LOVE!」「星空のRENDEZVOUS」などを含む計37曲が野外コンサートならではの迫力を持って届けられる。冬真っただ中の大晦日の夜に、熱気たっぷりの夏のライブを見るのもまたオツなものだ。 ■年越しはデビュー30周年ツアーの東京公演 続いてのプログラムは「BRIDGE ACROSS THE FUTURE REEL I&II」(夜8:00-10:15)。1990年8月に横浜みなとみらいの臨港パークで開催されたコンサートから、計22曲が登場。 それから彼らの母校・明治学院大学の特設ステージで行われた野外ライブ「THE ALFEE MEIGAKU LIVE 3 NOVEMBER 1987」(夜10:15-11:00)も放送。この年、彼らは4枚のシングル盤を発表し、「サファイアの瞳」と「My Truth」は見事オリコンシングルチャート1位に輝いた。この母校コンサートではアコースティックに原点回帰した選曲で唸らせる。グループに大きな影響を与えたであろうアメリカの3人組“クロスビー、スティルス&ナッシュ”の代表曲「青い瞳のジュディ」なども交えながらの、伝説的な一日の記録だ。 そして、いよいよ“年またぎ”のプログラムは「THE ALFEE CONCERT 2004」(夜11:00-深夜0:45)。3カ月にわたって全国で開催されたデビュー30周年ツアー「30th anniversary 2004 Travelin' band [Spring Tour]」の東京公演(NHKホール)をNHKが番組化したものだが、CSでは今回が初放送。同年のシングルヒット「希望の橋」をはじめ、全18曲が披露される。どのパフォーマンスに接しながら年越ししても、希望に燃えずにはいられない新年が訪れるはずだ。 ■「EXPO'90」オープニングライブもオンエア 年明け最初のプログラムであり、今回のTHE ALFEE特集のトリを飾るのは、こちらもBS/CSでは初放送となる「The Alfee Live In EXPO '90」(深夜0:45-2:00)。1990年の4月1日から大阪で始まった「国際花と緑の博覧会」(EXPO'90)のオープニングイベントとして行われたライブだ。THE ALFEEは博覧会のテーマ曲として「FLOWER REVOLUTION」を提供しており、このプログラムでは小学校のマーチングバンドと共にそれを披露した。 さらに、服部克久氏指揮による関西フィルハーモニー管弦楽団とのコラボレーション「SYMPHONY OF THE ALFEE」でも圧巻のパフォーマンスを行う。同年3月に発売されたばかりのアルバム『THE ALFEE CLASSICS with LONDON SYNPHONY ORCHESTRA』の世界が、この日早速ライブで届けられたというわけだ。THE ALFEEの楽器演奏と共に、ホルスト作「Jupiter」と「星空のディスタンス」のマッシュアップなどを含む、編曲家・服部氏のセンスの鋭さにも大いに注目したい。ほか、「サファイアの瞳」の“Tokyo City Lights”という歌詞を“Osaka City Lights”と変えて場内をさらに熱狂させるところ、「SWEAT & TEARS」での長大なエンディングなど、見ても聴いてもエキサイティングな展開が繰り広げられる。 キャラクターの立ちっぷり、抜群の一体感、美麗なハーモニーはそのままに、時代に応じて音楽性を発展させてきたTHE ALFEE。特別番組「デビュー50周年記念 大晦日年越しはTHE ALFEE」は、グループが築き上げてきた歴史の重みと、類まれなほど軽快なフットワーク、もちろんワンアンドオンリーの音楽性をこれでもかと伝える。この“奇跡の3人”が昭和・平成・令和と輝き続けていることに、誰もが喜びと感銘を抱くに違いない。 ◆文=原田和典