来季埼玉開催世界フィギュア出場枠「3」女子は復活濃厚だが男子はピンチ?
そこで重要なポイントになってくるのが田中だ。もし宇野が、3位或いは4位に終わることになれば「3」枠獲得の「計13位以内」をクリアするためには、田中が10位、或いは9位以内に食い込まねばならない。もし宇野が、さらに順位を落とせば、田中へ課せられるノルマも増す。 羽生の代役となった友野の自己ベストは出場選手中18位。ルクセンブルクで行われたクープドプランタンで227.84点で2位となり、今季初めて表彰台に上ったが、18日に終わったばかりで中3日で本番を迎える強行軍。シニアのGPシリーズも村上大介の代役で出場した昨年のNHK杯だけで、まだ発展途上の選手だ。可能性はあるが、どこまで食い込めるかは未知数。そう考えると頼れるのは田中しかいない。 「目標はハッキリとしている。厳しい戦いになるが、来年(世界選手権に)自分が出たければ、自分が頑張らないと自分の分がなくなる。プレッシャーというより自分のためにやらなきゃいけないという気持ちでいる」 田中は、自らにそうプレッシャーをかけるが、平昌五輪のSPでは4回転サルコーで転倒するミス。20位と大きく出遅れてしまい最終的には自己ベストにも届かず18位と惨敗した。 その平昌五輪の経験がプレッシャーに打ち勝つ材料になればいいが、再び飲まれてしまうと「3」枠圏外に押し出される危険性もある。 ただ実力さえ発揮すれば8位以内に入る可能性がある。 今大会は、平昌五輪銅メダルのハビエル・フェルナンデス(スペイン)、同9位のベテラン、パトリック・チャン(カナダ)、同10位のアダム・リッポン(アメリカ)らの有力選手が欠場。出場選手の自己ベストで判断すれば、田中が今年の四大陸選手権でマークしたベストの260.31点をマークすれば8位に入る計算になる。 田中が8位に入れば故障を抱える宇野が例え5位に終わっても「計13位以内」はクリアできる。 前大会では羽生が優勝、宇野が2位につけ、楽々今大会の出場枠「3」を手に入れていたが、地元の日本開催となる来季の世界選手権への出場枠を巡っては、思わぬアクシデントで、平昌五輪でワンツーフィニッシュをした最強日本男子が崖っぷちに立たされた。注目の男子シングルスのSPは今日22日に行われ、宇野は最終滑走の37番、田中は30番、友野は12番となった。男女のフリーは24日に行われる。