酒井宏樹ら4選手が去り、若手2人が加入。夏に活発化する浦和の戦略、いち早く新たなシーズン制に対応し始めている感も
7月に入ってどのような動きを見せるか注目
そして、新戦力ではオーストリア2部ザンクト・ペルテンから21歳のFW二田理央、ベルギー1部クラブのブルッヘから23歳のMF本間至恩の獲得が発表された。 これは、シーズン制の違いと近年の浦和の戦略を見れば象徴的なものがあるかもしれない。国内クラブからの獲得選手や期限付き移籍からの復帰、日本と同じ春開幕の北欧ノルウェーやスウェーデンのリーグから獲得したマリウス・ホイブラーテンやグスタフソンは、冬のウインドーでの加入だが、酒井とショルツも21年夏に欧州クラブから獲得しているし、以降もブライアン・リンセンや中島翔哉といった主力級の選手を日本人、外国人を問わず夏のウインドーで国外クラブから獲得している。 また、木下康介(現・柏レイソル)、タイ代表エカニット・パンヤ、安部裕葵といったポテンシャルへの投資といったニュアンスで、国外クラブからの獲得を夏に行なうのも近年の傾向だ。二田と本間の獲得もこれに沿ったものだと言える。7月2日時点で浦和が発表している選手の入れ替わりを見ると、取引相手が国内クラブなのは岩尾だけだ。 浦和の声明には、来年6月に開催されるクラブ・ワールドカップ(W杯)からの逆算でのチーム作りという言葉もあった。そして、1年後の2026年には日本もシーズン移行する。シーズン制が移行すれば、たとえば多くの外国人選手をJリーグに供給しているブラジルとはカレンダーが変わるため、選手獲得のハードルが上がることが予想される。 今シーズン末の契約更新選手とは1年半の契約を結ぶかどうかの判断が必要になることも想定される。その観点から見れば、浦和はいち早く新たなシーズン制へと対応し始めている感もある。 確かに主将の酒井や副主将のショルツが退団したことはインパクトが大きいものの、欧州クラブも動きが活発化する7月に入って浦和がどのような動きを見せるのか注目したいところだ。 構成●サッカーダイジェストWeb編集部