LLRが八門遁甲ライブシリーズを開催!今バトルライブに挑戦する理由とは?
LLR(福田恵悟、伊藤智博)が来年の『THE SECOND~漫才トーナメント~』を見据えたライブ「LLRの八門遁甲ライブ~決勝でやるネタをみんなで決めるライブ~」を実施中だ。このライブは、THE SECONDの優勝を狙い、お客様に勝負ネタを決めてもらおうという趣旨で、2人が合計7本のネタを披露し、観客が面白かった3つに投票→いちばん得点が高かったネタを『THE SECOND』の決勝でやるネタにするという画期的な内容となっている。 【写真を見る】「LLRの八門遁甲ライブ~決勝でやるネタをみんなで決めるライブ~」の様子 第1回は9月16日に座・高円寺2で開催。モグライダー、ラブレターズ、ニューヨークとともに行い、大盛況に終わった。 今回は、八門遁甲ライブシリーズの意図、そしてTHE SECONDへの思いなどについて話を聞いた。 ――まず「LLRの八門遁甲ライブ~決勝でやるネタをみんなで決めるライブ~」をやろうと思ったきっかけを教えてください。 福田「昨年THE SECONDに出させていただいて、ベスト32で負けちゃったんですけど、準備が足りなかったなと痛感しました。なんとなくやっていたので、今年はTHE SECONDに向けて準備したいと思い、開催を決めました。1年間のスケジュールを組んで、9月からやっていこうとなりました」 ――八門遁甲ライブシリーズでのテーマなどはあるんでしょうか? 福田「恥ずかしながら、ネタを調整するということを今までやってこなかったんです。今回のライブシリーズではネタ調整に挑戦したいと思っています。基本的には大幅なネタ変更はなくて、ネタの中を変えていこうと思っています」 ――ネタの調整はあまりしないものなんですね。 福田「僕の場合はなめていましたね」 伊藤「ははは(笑)」 福田「当時、僕らくらいの世代の芸人は毎日舞台に出ていたんですよ。舞台に出て、今日は仕事終わったってなるんですよ。そうすると、ネタの調整とかしなくなってくる。それでも、しているやつは成長していたと思うんですけど、僕らの場合はただただ今日の仕事を終わらせるみたいになっていました」 ――これからのライブシリーズでは"調整"、そしてネタを"叩く"ということをやっていくと思います。"叩く"を説明するとしたらどのような感じでしょうか? 福田「僕もまだよくわかっていないんですよね」 伊藤「ははは(笑)。始めたばっかなんでね」 福田「僕の場合はネタをこれまで300~500本くらい作っていると思うんですけど、やってウケなかったら、これはウケないネタなんだと諦めていました。でも、他にも原因があるんじゃないかと探るのが"叩く"ということなのかなと。例えば、伝わっていないとか、見せ方が悪いとか...変えてもだめなパターンもあると思いますけど、そこまで粘ったことがなかったんですよ」 ――なるほど。では、漫才自体はデビュー当初と比べて変化していると感じますか? 福田「あまり変化はしていないですね」 伊藤「僕らは型みたいなものがないので、ある意味変化し続けているのかもしれないです。自分たちらしい漫才というのはまだわかっていないですね」 福田「僕の中のテーマとしては人がやらないようなテーマでやりたいというのがあります。もし、同じようなテーマでやるなら、ぶっとんだボケを入れるようにしていますね」 ――自分たちが理想としている漫才はありますか? 福田「理想としているからといってできるわけではないので、難しいですね。挙げるなら、あいつらです。角刈りとマッチョの...」 ――ミルクボーイですか? 福田「そうそう」 伊藤「やばいな(笑)。ミルクボーイを角刈りとマッチョと認識しているの」 福田「ミルクボーイの漫才はあいつらの努力だと思いますけど、最強型だと思います。何やっても面白いし、何でもはめられる。フォーマットもすごいし、汎用性が凄まじい。できるならあれをやりたいです。楽そうだし」 伊藤「そんなことはないでしょ(笑)」 ――ライブシリーズ第1回を終えて、無事に『THE SECOND』でのネタが決まりました。感想を教えてください。 福田「決まったので、このネタを絞って行って、ここからがんがんブラッシュアップしていきたいですね。僕らの課題であるブラッシュアップ。自分たちの色を残しつつ、よくしていきたいです。あとは人からのアドバイスをもらって」 伊藤「まあね。来年に向けていろんな人に助けてもらうというのがね」 福田「このライブ、タイトルにちなんで全部で8回やれたらいいかなと思ってはいるんですけど、なかなかスケジュールもあるのでそこはまだわからない。ただ、1月の終わりぐらいまでこのライブをやって、その勢いのまま2月の予選に入って行けたらなと思っています」 ――集計の結果はどうでしたか? 福田「意外と思っていたのとは違う結果でしたね」 伊藤「さっき票数を見たら、上位のネタはそれぞれわりと僅差で、不思議な感覚です。自分たちのネタで順位を決めるとかやったことないので。でも、『ああそういうことなんだ』とありがたいですね」 ――八門遁甲ライブシリーズ第1回は吉本の劇場ではなく、座・高円寺2で開催しましたね。 福田「9月にライブをやっていこうとなった時、箱はどこでもいいと思っていました。関係者に『いけますよ』と聞いて、吉本の劇場でやるよりインパクトあるかなと思って決めましたね」 ――ニューヨークやモグライダー、ラブレターズといった賞レース決勝経験者が揃いましたね。人選のポイントはありましたか? 福田「THE SECONDの出場権がなくて、それでいてあまり世代が離れていない人を集めようと思いました」 ――ライブの手応えも良かったと聞いています。今後も自分たちの主催ライブを打っていく予定ですか? 福田「八門遁甲は、お客さんも喜んでいただきましたし、やりがいも感じました。僕らくらいの芸歴になると、他の人に呼ばれることってなかなかなくなるんですよ。だから、自分たちでやっていくしかないなって。少し前まで後輩を呼んで後輩のお客さんが来るのは嫌でしたけど、せっかく吉本にいるので後輩の力も借りてやっていきたいです」 ――最後に、八門遁甲ライブシリーズに興味を持っている方に、あらためてメッセージをお願いします。 福田「ネタを良くしていこうと思っているんだと見てほしいですね。『また同じネタかよ』じゃなくて、『このネタこういうところ良くなっているな』と、毎回来てくれる方にはそう見てほしいです。若い時は、同じネタをやり続けるのはサボっているなと思っていましたけど、中堅になると単純に同じネタをやりたくないんですよ。ただ、違うネタばかりするとネタが成長しないので、あえて同じネタをやっていこうかなと思っています。自分たちとの勝負になりますが、負けないようにしたいです」 伊藤「こういった年間通したライブはやったことがなかったので、お客さんと一緒に回を重ねて、ドラマを見ている感覚になってくれたらいいなと思いますね」 取材・文=まっつ
HOMINIS