「振り返る日」に再発防止誓う しなの鉄道脱線事故から1年 【長野・上田市】
1年前の6月12日、しなの鉄道の上田駅近くで車両の脱線事故が起きました。けが人はいませんでしたが、大惨事になりかねない事故。しなの鉄道は「振り返る日」として、再発防止を誓いました。 脱線事故が起きたのは去年の6月12日。通勤通学ラッシュの午前8時45分ごろでした。 ■カメラマン(当時) 「車両が傾いています。先頭から2両目の車両が傾いています」 脱線したのは回送列車。上田駅近くの「電留線」と呼ばれる一時的に車両を止めておく線路でした。原因は枕木の腐食とされています。 車両の一部が踏切内で停止したこともあり、復旧には時間がかかりました。 ■記者(当時) 「運休された列車の代わりのバスが田中駅方面に向けて出発しました」 事故翌日の代替輸送のバスにはこの行列。事故によるけが人はいませんでしたが、一部区間の運休は3日間にわたり、通勤や通学には大きな影響が出ました。 事故から1年。 ■しなの鉄道担当者 「当該車両、上田駅から入れ替えで向こうから電留2番線に入ってきました」 しなの鉄道はきょう6月12日を「車両脱線を振り返る日」として、事故現場で当時の状況や再発防止策を社員と共有。 原因となった枕木の腐食への対策なども確認し合いました。 ■しなの鉄道運輸部・北原秀一 担当部長 「やっぱりベテランが見ても若手が見ても誰が見ても『あ、これは(枕木が)腐食している』『これは問題ある』とわかるようにしていかないと今後、対策としては不十分になると思いますので、わかりやすいマニュアルを作りまして」 大惨事になりかねなかった脱線事故。 安全への設備投資と修繕を優先するとした緊急5カ年対策も作りました。 ■しなの鉄道運輸部・中沢智宏部長 「しなの鉄道として1年前の脱線事故、これは絶対に忘れてはいけないことです。本当にこの脱線事故は忘れてはいけないと思います。そしてまた、風化しても風化させてもいけない」 社員たちは安全確保への意識を新たにしました。