【大学野球】早大・小宮山悟監督がプロ注目の“守備の要”山県秀に求めたこと…法大に連勝で勝ち点4
◆東京六大学春季リーグ戦第6週第2日▽早大2―0法大(19日・神宮) 早大が法大に連勝し、勝ち点を4に伸ばした。小宮山悟監督(58)は試合後、「今日がおそらくこの春で一番重たい試合になるというのは試合前、選手に伝えていた。本当によく守り勝った」と接戦を制した選手をたたえた。 まさに「耐えた」試合だった。初回に印出太一捕手(4年=中京大中京)の適時打で先制したが、追加点は8回まで入らず、終始ロースコアのゲームだった。ほぼ毎回走者を背負う苦しい展開の中で光ったのが、山県秀遊撃手(4年=早大学院)の美技だった。 9回裏、1死一塁で三遊間に打球が飛んだ。点差は2点。抜けたら同点のランナーを許すことになる場面だった。山県は打球に飛びついてすぐさま振り返り、二塁に転送してアウトにした。結局、二塁への進塁を最後まで許さず逃げ切った。 新チームになり、冬の間や春季キャンプでは、かなりきつい特守に取り組んだ。印出は言う。 「監督さんが『練習の中で捕れる打球を捕っても、しょうがねえ』って(笑)。山県は特に内野のリーダーとして、積極的に特守に入っていって、飛びついて食らいついてというのを後輩たちにも見せてくれている。もともとうまいですけど、守備範囲はかなり広がっていると思う」と山県の才能と努力を認める。 しかし、指揮官が山県に求めるものはもっと高い。「『グラブで飯食うんだ』ってくらいの覚悟で、彼はプロに行きたいと言っている。守りだけというチームがあるんだったら可能性はゼロじゃない。あとはこれから打てば、評価も上がるでしょう」と打率は高いものの、長打が少ない山県にさらなる結果を求めた。 「早慶戦で優勝の懸かった展開というのが望ましいと思っていた。とりあえずそういう状況にはできた」と安どの表情を見せた小宮山監督。「あとはしっかりと慶応を研究して、対策を練って、昨日今日みたいな勝ち方で天皇杯を奪還できれば」と意気込んだ。 試合後の会見前、印出に「疲れているね。俺も2日間で5歳は老けたよ(笑)」と話しかけ、疲労の色もうかがえた。エネルギーを蓄え、6月1日からの早慶戦に臨む。(臼井 恭香)
報知新聞社