新人合同自主トレで印象に残ってるのは鳥谷よ。今年の阪神の新人は育成中心。それだけチームは充実している【岡田彰布のそらそうよ】
鳥谷の新人自主トレ、その動きに目を奪われたよ
初めて一軍の監督となって迎えた04年最初の新人合同自主トレでドラフト1位の鳥谷[写真中央]の動きは、ほかの新人とまったく違った。それに目を見張ったよ/写真は04年度入団会見=BBM
体が重い。実に重い。これって、何もしなかったお正月のせいよ。息子夫婦が孫と帰省し、にぎやかな年明け。孫と遊んでばかりだったオレは、ホンマ、体を動かすことを忘れていた。おかげで体重が増え、動きにキレがない。こんなこと、ホンマ、初めてかもしれん。現役時代、そして監督時代は年が明けると、スイッチが切り替わっていた。それがなくなっている。気を付けないと……。あらためて反省の今である。 さて、新年を迎え、聞こえてくる“始動”の便り。特にルーキーの自主トレスタートはやっぱり見る側もワクワクする。各チーム、新人合同自主トレが始まった。これって、何かお披露目感が満載だが、ルーキーにとっては重要な第一歩。ついつい力が入り過ぎてしまう。理解はできるけど、ケガをしたら、元も子もない。そこはホンマ、注意してほしいもんや。 やっぱり印象に残っている自主トレは2004年の1月かな。現役じゃなく、監督1年目で、オレも力んでいた。そこで始まった新人の自主トレ。オレは“この男”の動きに目を奪われた。そう、ドラフト1位、鳥谷(鳥谷敬)やった。ほかのルーキーと動きが違っていた。体の作り、キレ、そして意識……。どれを取ってもホンマ、抜かりなく、そのときからプロとしての自覚というか、意識の高さは目立っていた。 初日、無理はしなくていいし、トレーニングコーチもセーブする。にもかかわらず鳥谷は、メニューをこなし、その後は独自の練習を追加して行っていた。そのころから故障しない体ができていたんやろね。高校生とは違う強さがあり、オレはこれで1年、フルに働ける……と確信を持った。 第一印象からそう思ったのは鳥谷が最初で・・・
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週刊ベースボール