「福山ウエスト野球クラブ」小学生チーム初の全国へ 福山・尾道市拠点、創部3年で CFで遠征資金募る
広島県福山、尾道市を拠点に活動する「福山ウエスト野球クラブ」の小学生チームが、創部3年で初の全国大会出場を決めた。厳しさを前面にした「昔ながらの指導」からの脱却を掲げ、元プロ野球選手や理学療法士、管理栄養士が指導や体調管理をサポート。前例にとらわれない独自のチームづくりで、着実に実力を伸ばしている。 【写真】紅白戦に臨む福山ウエスト野球クラブの選手たち 当初4人だったクラブには現在、小中学生70人が在籍する。全4チームのうち、小学生の「少年Aチーム」が県予選3試合を勝ち抜き、今月下旬にさいたま市である第1回年中夢球杯全国学童軟式野球大会への出場切符をつかんだ。 Aチームは、チームワークを生かした守備が自慢。4番で捕手の明王台小6年西岡由晟(ゆうせい)主将(11)は「まずは1勝」と意気込む。クラブはクラウドファンディング(CF)で大会への遠征資金を募集中だ。 3年前、クラブ設立に動いたのは選手の保護者でもあった福田明男代表(47)。暴言などによる抑圧的な指導を続けるクラブを見聞きし、「勝利至上主義ではなく、野球の楽しさを伝えたい」と思い立った。 プロ野球ソフトバンクなどでプレーした知人の白根尚貴さん(31)=福山市=に声をかけ、総監督を依頼。ヤクルトや巨人で活躍した浅野啓司さん(75)=同=も特別コーチに招いた。確かな技術を伝えつつ、子どもを萎縮させる行為は徹底して排除しているという。 けが防止と栄養管理にも気を配る。地元の整形外科のスタッフが肘の状態をチェックし、管理栄養士の個別面談に基づいた食育を取り入れる。こうした指導方法が認められ、クラブは昨年度、スポーツメディカルコンプライアンス協会(東京)の「ベストコーチングアワード」の最高賞に選ばれた。 練習前の準備やお茶当番といった保護者の負担もなくし、情報のやりとりにはスマートフォンアプリを駆使する。福田代表は「今後も選手ファーストの運営をし、保護者も指導者も一緒に楽しめる環境をつくりたい」と見据える。CFサイトはhttps://camp-fire.jp/projects/780525/view
中国新聞社