<街ぶら>天王寺動物園・カバのおやつタイム人気 ── 目の前を歩いて大きなお口「ア~ン」
お口をあけて歯みがき・エサを出したらプールから出る
午後1時10分ごろ、カバの飼育員である上野将志さんが大きな歯ブラシを持ってカバのプールサイドに現れた。「いまから、カバのテツオくんに歯みがきをしまーす」と大きな声で説明する。同時にテツオくんが水面から顔を出し、上野さんい向けてとても大きな口をあけた。 同時に周囲の子どもや大人から「すごい」「大きい口」という歓声があがる。テツオくんの口の裏を手で優しくマッサージしたり、歯ブラシで長い門歯と犬歯をていねいに磨いている。 本来、野生のカバは生活の中で自然とこれらの歯がけずれていくが、動物園内で世話をしてもらいながら生活していると、歯がけずれる機会もないという。そのため、歯が伸びたら切らなければいけない時もあり、そうした時のために普段から歯の健康チェック、飼育員とテツオくんのスキンシップのために、歯みがきは行われているという。 しっかり歯を磨いた後は、バナナのごほうび。カバの大きな口からすれば、バナナもいつも以上に小さく見えてしまうが、上野さんが口に放り込むとおいしそうに口を動かして食べる姿は「かわいい」と人気。このほか、大好物の草をプールサイドに広げると、テツオくんはプールを飛び出し夢中で草を食べていた。
目の前に大きなカバ「今はこんなの見られるんや」
一方で、もう1頭のカバ、ティーナちゃんもお楽しみのおやつを待っていた。こちらのエサのやり方はテツオくんと違う形式。まず、最初にまくのは先述のティラピアのエサ。すると、群がるティラピアをみてティーナちゃんが即座に反応。ティラピアのまきエサが、おやつの合図というわけだ。 エサを与える場所は、ちょうどプールのガラス張りになった観察スペースの上。そこから左右にいったりきたりしながらエサをやることにより、ティーナちゃんが、ガラスにもたれて口を明けたり、左右に移動するシーンが目の前で見られるという仕組みになっている。 子どもらはそんな姿に大興奮。移動するたびに追いかけては「すごーい」と大声を上げる子どもらの元気な姿もみられる。中には、カバに合わせ一緒に大口をあげる子もいた。 子どもだけでなく、デートで来るなどしていた大人たちからも「いまの天王寺動物園って、昔とちゃうわ」という声も聞かれた。