ハマスタ11連勝にキヨシ監督は「野球の神様がついている」
ミラクルDeNAとでも呼ぼうか。横浜DeNAは22日、横浜スタジアムで行われた対阪神戦で5点差をひっくり返しての劇的サヨナラ勝利。先発の山口俊(27)が、自らの守りのミスもあって、阪神の本塁打攻勢の前に、1、2、3回に計5点を失って早々KO。重苦しい展開だったが、5回二死一二塁から下園辰哉(30)のタイムリーで1点を返すと、なおも続くチャンスに筒香嘉智(23)が特大の11号3ラン。1点差にして一気に流れが、横浜DeNAのペースに変わった。 「インパクトがあったねえ。4番の仕事。一発で空気が変わった、カッコいい」とは試合後の中畑清監督。 7回にも、二死三塁から代打・井手正太郎(31)のドン詰まりの打球は、まるで執念が乗り移ったかのようにライト前へ。5-5の同点となると、中畑監督は、エレラ(34)から、9回には惜しげもなくルーキーストッパーの山崎康晃(22)を投入。山崎が0点で切り抜けるとハマスタのボルテージは最高潮。その空気に乗せられるかのように二死二塁から井手が、今度は、ライトフェンス直撃のサヨナラ打。 「途中から出てきて美味しいところを持っていって、皆さんに申し訳ないが、年々、強くなるプレッシャーを感じながら野球をやっている」。ダイエー、ソフトバンク時代に出番に恵まれず、トレードで横浜DeNAへ移籍して6年目という中堅の井手が、“左キラー”としてチャンスをもらって、見事に応えている。 「いろんなバリエーションでヒーローが出てくる」と中畑監督は言う。 そして新人の山崎にプロ初勝利がつくという嬉しいプレゼントまであった。 今季2度目のサヨナラで、逆転勝利は、なんと14試合目。 5点差がついていても、もしかしたら…ではなく、もしかする……という雰囲気がチームに充満しているから怖い。「一番上(首位)だろ? おかしいよな?」。中畑監督も、手のつけられないようなチームの勢いを感じ取っている。 「ミスがあってもあきらめない気持ちでみんながカバーしている。神がかった攻撃、野球の神様がついてくれている。こういうゲームをしていくと、チーム力が上がるんだ。バランスよくチームが動いている」 細かいミスも多かった。山口は簡単な併殺をとりそこない、攻撃面では、8回無死から勝ち越しのランナーが出たが、倉本がバントのミスから進塁打も打てなかった。だが、それらのミスがミスでなくなるほどの勢いがチームにある。