ヤクルト・濱田太貴インタビュー 2年目の飛躍
ヤクルトの高卒2年スラッガーと言えば昨季の村上宗隆の活躍が記憶に新しい。そして今季も、右打ちの強打者が台頭しつつある。未来の主軸へ期待が高まる若手だが、昨季はファームで、ある“事件”を起こしていた。 取材・構成=依田真衣子、写真=神山陽平、井田新輔、BBM 高卒1年目の昨季、イースタン・リーグの試合で見逃し三振を喫した濱田は、ストライク判定を不服とし、バットでバッターボックスの地面に線を引いた。審判への侮辱行為とみなされ、退場処分、厳重注意を受けることになった。もちろん褒められたことではないが、ふてぶてしいまでの振る舞いに、若きスラッガーの強心臓ぶりと、ヤンチャながら小さくまとまらない大物感が伝わってきた。2年目を迎えた今季、ファームではチームトップの9本塁打で一軍昇格。その才能が、花開こうとしている。 ──昨季、ファームの試合で退場処分を受け、話題になりました。 濱田 昨年までは高津(高津臣吾)監督が二軍監督で、もちろん怒られたんですけど……。人間的にも、これから成長していかないといけないっていうのを言われました。我慢することを学んでいけ、と。1年経って、人間的にちゃんと成長できているかは微妙なんですけどね(笑)。でも今は「そこストライクかよ!」って思っても、もう顔にも出しません。 ──一軍で出番を得る現在、一軍監督となった高津監督の期待は感じますか。 濱田 そうですね。あんまり打ててなくても使ってもらってるので、期待は感じます。もちろん、ずっと見てもらっているのでやりやすさもありますし。8月に一軍に上がったとき、「小さくならずに自分のスイングをしていけ」と言ってもらったので、思い切って振っていけています。 ──一軍に昇格してすぐ、8月12日の巨人戦(東京ドーム)でプロ初安打を放ちました。 濱田 あの日は先に1個下の武岡(武岡龍世)に初ヒットを先越されちゃって、ちょっと悔しかったんですけど。あんまり緊張はせずに、打ってやろうっていう気持ちで打席に立てました。代打での初安打も含めて、2安打も打ててよかったです。 ──一軍でいきなり結果が出ましたが、昨季との違い、もっとも成長した部分はどこだと感じていますか。 濱田 自分の打ち方を理解できるようになったというか。どういうふうに・・・
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週刊ベースボール