=LOVE新曲『絶対アイドル辞めないで』で考える、変わるアイドルの恋愛、ファンとの関係
=LOVEが7月31日に発売した17thシングルの表題曲『絶対アイドル辞めないで』が話題だ。6月22日にMVがYouTubeで公開され、700万回も再生された。指原莉乃の歌詞を巡って、=LOVEファンだけでなく、さまざまなアイドルグループのファンが自身の推しとの関係性に思いを巡らせている。 【関連写真】制服姿が圧倒的青春感! =LOVE大谷映美里のMVオフショット【4点】 『絶対アイドル辞めないで』では、アイドルの恋愛についてファンの「♪好きな人がいるのなら 内緒にして/ねえ神様は 将来と指輪を/どこかに隠してね」(第1番Aメロの歌詞)という気持ちを代弁しつつ、本人の意志を尊重する姿勢を描写。プライベート開けっ広げとは言わないまでも、恋愛禁止という暗黙のルールが緩和され、それを徐々に受け入れる人が増えた今の時代の価値観を反映しているとも言えそうだ。 「将来」とは、アイドルがアイドル以外の夢を持つ可能性をいい、「指輪」は結婚したりパートナーと一緒に過ごしたりする未来。将来と指輪を隠さなければ、それにショックを受ける人もいるかもしれない。歌詞からは、恋愛禁止とは言わないが、自ら恋愛宣言するような開けっ広げな姿勢は取らない方が良いという考えが読み取れる。 実際、『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS)に出演した=LOVEメンバーの高松瞳(※「高」は「はしごだか」が正式表記)はグループの恋愛について、「指原さんから『恋愛禁止じゃないんだけど、もし撮られたりしたことがあったら、しっかり自分で責任を取ってください』っていうふうに一言頂いています」と説明している。 責任を取ることについて高松は「対応だったりとか、続ける、続けないとか。その後、何か言われながら、バッシングされながらでも活動するかどうか、決めなさいって」と付け加えている。 恋愛禁止ルールのあるグループなら、それを破るのは良くない、のかもしれない。だが、破ったら破ったで、あえてポジティブに捉えると、アイドルも恋がしたいという意志表示と取れる。「恋愛OK」「恋愛解禁」などと大っぴらに表現しないまでも、「恋愛禁止」をルールに掲げないグループがある。ただ、人に夢を与えるポジションのアイドルは、周囲への影響を考えるとプライベートにおいて完全な自由行動はできないだろう。 そしてアイドルに恋するファンは普通にいる。指原はラスサビで「♪これは報われないおとぎ話/恋よりも もっと好きだ」と書き、そんなファンの気持ちもくんだ。曲全体で=LOVEのグループとしての方向性、ファンの気持ち、アイドル自身の言葉が歌われている。 ただ、個人的には、歌で感情を表現するアイドルには、現在進行形でなくとも人を愛する気持ちを知っていてほしいと思う。許されるなら、過去やアイドル卒業後の未来ではなく今その気持ちを抱いて音に乗せて歌ってほしい。想像するよりも、人は経験すると、より生き生きする。 『絶対アイドル辞めないで』という曲を聴くと、ファンが心のどこかで思っているだろう「アイドルだって人間、恋もする」という感覚や、反面、プライベートが公になることに対する心のモヤモヤを見事に言語化してくれたことに気付く。 「指原は天才」……MV公開後、それを読み取った人々の称賛の声をSNSでたくさん見かけた。どのメンバーを、どのグループを好きかは問わず、いろいろなアイドルファンを巻き込んでこのような空気が広がっていけば、アイドルたちも今ほど窮屈に恋愛しなくて済むのではないか。息苦しさは薄れて、自由に楽しんで、アイドルとファンとの関係を享受してほしい。
かみじ