世界10大リスク1位は「Gゼロ」2位は「トランプの支配」 世界は弱肉強食のジャングルに戻りつつある
アメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」が年初の恒例となっている「今年の世界10大リスク」を2025年1月6日に発表した。 「大下容子のワイドスクランブル」(テレビ朝日系)は13日の放送で同社のイアン・ブレマー社長のインタビューをはさみながら取り上げた。 ■グローバルリーダーシップが欠けた世界で... リスクの1位は「深まるGゼロ世界の混迷」、2位「トランプの支配」、3位「米中決裂」と続く。多くが、20日就任のトランプ米大統領によって引き起こされるというリスクが並んでいた。 トップの「Gゼロというのは何か」。コメンテーターの増田ユリアさんがブレマー社長に聞く。 「グローバルリーダーシップが欠けた世界という意味です。世界は弱肉強食のジャングルに戻りつつあるということです。トランプ氏が主導する強力なアメリカが、旧来の国際秩序 や規範を打破しようとしています」 グローバルリーダーとは異なる文化を理解したリーダーだが、トランプ時代にはそれがいなくなるという。トランプ大統領はアメリカの利益優先で、国際的なルールや他国のことなどお構いなしだというのだ。 増田さんが「日本はどういうふうに向きあったらいいと考えておられますか?」と聞くと、ブレマー氏は「石破総理が(安倍元総理のような)関係を築くのは難しいでしょうが、それでも努力しなければなりません」「トランプ政権に一定の譲歩を与えることも一時的には有益です。ただし、それが日本の戦略的利益を損なわれない範囲で行うことが重要です」などと話した。 トランプ大統領との駆け引きはうまくやらなければならないが、譲歩し過ぎると危ないということだろう。 ジャーナリストの池上彰さんが、「戦後の日本はアメリカと仲良くしていれば大丈夫みたいなことだったわけですね。アメリカは世界の指導者だったから。でも、世界の指導者じゃなくなっちゃった。まさにGゼロの世界になってしまったというときに、じゃあ日本は独自にどうするかということを考えなければいけない。2025年の大きな課題だと思います」と提起した。 (シニアエディター 関口一喜)