“北海道新幹線”の札幌市への延伸 2030年度末の目標を正式に“断念”…新たな開業時期示せず「数年程度の遅れ」 専門家からは再開発への影響指摘も
5月8日の鉄道・運輸機構の発表
北海道新幹線の札幌市への延伸工事を進める「鉄道・運輸機構」が5月8日、2030年度末の延伸が「極めて困難である」と斉藤 鉄夫 国交相に報告しました。 本来であれば2030年度末に創成川通をまたぐように新幹線駅が完成し、札幌市まで延伸されるはずでした。北海道の試算によると延伸で約2兆5000億円の経済効果も期待されていました。 しかし、「鉄道・運輸機構」によると、工事の遅れなどから延伸は数年単位で先延ばしとなり、新たな開業時期は示しませんでした。
延期期間と工費 専門家の見立て
今回の延伸延期について、整備新幹線問題に詳しい青森大学の櫛引 素夫 教授は次のように指摘しました。 ・何年後というめどがたっていないことが非常に深刻 ・日本の人口減少と労働力不足が、そのまま投影されている 延伸の延期は鉄道だけの問題ではなく、私たちの暮らしにもさまざまな影響が及びそうです。
延期で再開発に影響 専門家は
JR札幌駅に隣接した商業施設「エスタ」は、2023年8月に閉店。建設資材価格や人件費の高騰で解体が延期となりました。 1階にあったバスターミナルも閉鎖されて周辺に分散し、駅周辺は延伸工事の影響で不便を強いられています。 この状態が延伸延期により長引かないか不安も指摘されています。 街づくりに詳しい「インフォメーション・システム キャビン」の志田 真郷さんは、今回の延伸延期によるJR札幌駅周辺の再開発への影響を指摘します。 ・JR札幌駅周辺は“通過するだけ”の「半休眠状態」が続くのでは ・延伸による予定していた経済効果がなくなり、開発が縮小の可能性も ・北海道や札幌市はバスターミナルなどのインフラの完成が遅れないよう政策を 新幹線の延伸延期により札幌市の街づくりをどうしていくのか、真剣な議論が必要です。
UHB 北海道文化放送
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