履歴書の長文化に採用担当者げんなり、スキル詰め込み過ぎは逆効果も
(ブルームバーグ): 求職者が企業に応募する際に第一関門となるのが、機械による履歴書の自動スクリーニングだ。そのため、履歴書はすぐ目に止まるようなキャッチーなキーワードで埋め尽くされる傾向がある。だがそうした履歴書は、機械は通過しても人の目には良く映らないようだ。
履歴書作成ソフトを手掛けるライブキャリアによれば、5年前と比較して最近では2ページにわたる履歴書が主流になっている。同社が内部データベースに持つ5万通の履歴書を分析したところによると、その理由は長々と書かれたスキル欄だ。そうしたスキル欄には「時間管理」や「批判的思考」といったフレーズが頻繁に登場するという。
だがそうした履歴書に感心しないリクルーターもいる。
人材紹介会社ランドスタッドのシニアバイスプレジデント、ケイティ・バーケロ氏は「何が本当で、何がそうでないかを選別している時間はない」と指摘。長々としたスキル欄は印象的というより、むしろ混乱を招くとした。「『可能性あり』か『ノー』かを直ちに判断する必要がある」と説明する。
履歴書にキーワードを並べるという傾向は、リクルーターや企業の採用担当が自動スクリーニングを導入して以降よく見られるようになり、特に新型コロナウイルス禍で加速が付いた。候補者の前職の肩書ではなく実際に何ができるかを重視するスキルベースでの採用という現実や、人工知能(AI)を活用した採用が話題となる中で、スキル欄は以前よりずっと長くなっている。
バッサー大学のキャリアセンターに勤務するジャネット・スワンソン氏によれば、1ページの簡潔な履歴書というかつては厳格に守られていたルールを破る動きも若い世代の間で見られる。特定のスキルを記すことでAIによるスクリーニングを通過できると考えているためだ。米人材マネジメント協会(SHRM)が2024年1月にまとめた調査によれば、およそ4社に1社が人事にAIを活用しており、中でも最も多い用途が人材獲得だという。