巨人・丸佳浩「第1打席で変な打席は見せられない」広島時代から大切にする1番打者としての心得とは
【球界ここだけの話】今年こそ、長年続く「1番打者問題」の終止符となるか-。巨人・丸佳浩外野手(35)が、リードオフマンとして輝きを放っている。61試合を消化した12日までで35試合に1番打者で出場する丸は、5月11日のヤクルト戦(神宮)から25合連続出塁を記録。1番に定着しつつある左打者が、切り込み隊長として大切にする心得がある。 「『チームに勢いをつける打席にしろ』と常々言われていたので、その気持ちは今も変わらない。(試合の)第1打席で変な打席は見せられないと思っています」 2018年まで11年間在籍した広島時代からたたき込まれたリードオフマンとしての信条。「誰に言われたとかでなくて、(広島は)チームでそういう風に言われていた空気」と懐かしそうに回想する。プロ17年目を迎えた今でも大切にする教えだ。 1番で出場した35試合中10試合で第1打席に安打を記録。チームに勢いをつける意識は、数字にもしっかりと表れているが、念入りな準備のたまものだ。ホームゲームの際は、守備を終えたあとに打席に向かう。他の打順よりもネクストバッターズサークルで投手にタイミングを合わせるなどの準備の時間は限られる。だからこそ、相手投手の予習を重要視する。 「ある程度、自分の中で(投手の情報を)入れておかないと打席の中で入りの1、2球のタイミングが合わなくて甘い球を見逃してとなってしまう。もったいない球はなしにしたい」。千葉経済大付高時代から続ける自身の打席内で感じた感想などがつづられている〝丸ノート〟や球団スコアラーに聞いた情報を参考に、甘い球を逃さない準備をして臨んでいる。 プロ17年目を迎え、4月で35歳となった。年齢ととも変化する体に合わせて食事面も変化している。試合前の食事では、必ず7個食べていた餅も3年前からは5個に減らした。「年齢を考えてね。おなかいっぱいが苦しかった」とちゃめっ気たっぷりにいう。試合開始にベストパフォーマンスを持っていく意識は、グラウンド外から始まっていた。 巨人の1番打者で、同一シーズン100試合以上に先発起用されたのは、2012年の長野久義が最後。百戦錬磨の丸が、11年連続で抱えるチームの〝課題〟を打破する予感を漂わせている。(樋口航)