千年もの昔から信仰され続ける活火山、大自然の底力に圧倒される神秘の霊峰・御嶽登山ルポ【前編】
富士山、白山、立山と並び、古くから霊峰としてあがめられてきた御嶽山。標高3067mの独立峰で、最高峰の剣ケ峰を筆頭に、継母岳、摩利支天山、継子岳など複数のピークが連なる巨大な山塊ですが、かつてはもっと高かったという説もあります。乗鞍火山帯の南端に位置する活火山で、2014年9月27日に噴火したことはまだ記憶に新しい出来事です。 【写真】黒沢口登山道からスタートする御嶽ピークハントを見る(全22枚) 元々とても好きな山で、噴火した日の10日ほど後に登る計画になっていました。噴火がもう少しあとへずれていたら、自分が死んでいたかもしれない。これは他人事ではない。ずっとそういう思いを持ち続けてきました。 立ち入り禁止となっていた、王滝頂上から剣ヶ峰にかけての一帯が、今夏から9年ぶりに規制緩和で通れるようになったので、この秋に行ってみることにしました。
ロープウェイで七合目まで行ける黒沢口登山道
JR中央本線木曽福島駅からバスでおんたけロープウェイ鹿ノ瀬駅へ。標高1570mの鹿ノ瀬駅は、まだかなり暑かったのですが、空には秋の雲が浮かんでいました。 ロープウェイを利用して標高2150mの飯森高原駅から歩き始めるコースを選択。御岳ロープウェイは、標高差約580mを15分で運んでくれます。9月下旬の標高2000mはさすがに涼しい! と思いきや、ひなたはとても暑かったです。けれど、目の前には南アルプスの峰々が広がっていて、雄大な景色に心躍ります。 ロープウェイ駅から、歩きやすく整備された登山道が始まります。ウッドチップが敷き詰められ、スニーカーやタウンシューズでも歩けそうです。 心地よい森の小径をたどること約10分。最初の山小屋「行場山荘」に到着。もしかすると、ロープウェイで上がってきた観光客が、ここまで来れるように道を整備しているのかも。 この先は本格的な登山道になります。日差しは暑かったけど、ナナカマドが紅葉していて、さすがに「夏でも寒い♪(木曽節)」御嶽山には、秋が訪れているのだなと実感。 八合目まで登ると、一気に視界が開けます。このあたりからは鳥居や祠などが数多く見られ、信仰の山であることを実感。