高松のショールームで藤沢瑞華さん作品展 紙すきで作った動物たち展示
香川出身・在住の芸術家である藤沢瑞華さんが手すき和紙で作った作品を展示する「呼吸をはじめる」が現在、高松のリフォーム会社「グリュック」(高松市香西本町、TEL 087-881-5012)ショールームで開かれている。(高松経済新聞) 【写真】桜の花びらで染めた和紙に描いたタヌキ 同店奥の小部屋に藤沢さんが自らすいて草木染をした和紙に動物の顔を描いた作品10点以上を展示。同社が椅子やキャンドル、ランプなどのインテリアをコーディネートした。流木とテグスでつり下げる作品や椅子に立てかけて展示する作品なども用意し、作品の追加も予定しているという。 「ミズカ」名義で、性別のない幼児をモチーフにした「ぼうや」シリーズと紙すき作品を制作発表してきた藤沢さん。今年に入り、紙すき作品を本名で発表するようになった。経緯について藤沢さんは「作風がかけ離れており、来た方に『2人展ですか』と聞かれることもあった。見る人の迷いを除きたいと思い、名義を分けた」と振り返る。 藤沢さんは大学の授業で紙すきを学んだのが今の作品作りのきっかけになったという。「紙すきで失敗した作品を見返した時に和紙の繊維が模様のようで面白く感じられたのでペンでなぞったら象の姿が現れた。本来失敗作であったものに命が吹き込まれたようですてきに感じ、作品作りを始めた」と話す。 展示について「コロナ禍に入り自粛ムードが漂って、外を出歩くのがタブーである時期があった。その雰囲気に耐えられず、山に入って作品作りをしていた。そんな時にふと草木に目が行き『人間の世界は停滞していても、草木は変わらずに咲く備えをしている。今日を生きようとしているのだ』と感じ、展示名と作品のシリーズ名を『呼吸をはじめる』にした。白い壁のホワイトギャラリーでは作品だけがメインになるが、ここは家具や照明などのインテリアも相まってどこか山の中の書斎のような生活感のある雰囲気になっている。さまざまな見方ができる作品を並べているので普段アートを鑑賞しない方にも足を運んでもらえれば」と呼びかける。 営業時間は10時~17時。観覧無料。12月27日まで。
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