松重豊&甲本ヒロト『劇映画 孤独のグルメ』で初タッグ…バイト仲間だった2人の友情を「下北沢の町中華」の店主が明かす
『孤独のグルメ』でタッグ
「豊くんは昔から、くせっ毛で長身スリム。天井の低い厨房に頭をぶつけていました。『いらっしゃいませ!』という声がやたら大きかったことをよく覚えています」 【一覧】テレビ局の極秘資料でわかった…クビ寸前の「大御所タレント」の名前 東京・下北沢に店を構えて60年、中華料理店「珉亭」2代目店主の鮎澤陽子さんが、感慨深くそう振り返る。 「豊くん」とは俳優の松重豊(61歳)のこと。ドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京)で人気を博し、来年1月公開の『劇映画 孤独のグルメ』では監督・脚本・主演を務める。 その主題歌がザ・クロマニヨンズの「空腹と俺」に決まった。松重たっての熱烈オファーだったというが、なぜこのタッグは実現したのか? 実は、松重とザ・クロマニヨンズのボーカリストである甲本ヒロト(61歳)は、約40年前、「珉亭」で同じ日にバイトを始めて以来の仲なのだ。 鮎澤さんが続ける。 「きっかけはうちで働く共通の友人の紹介でした。ふたりともホール担当で、注文を取っては料理を運ぶ。餃子を包むなどの仕込みも手伝ってもらいましたが、仕事ぶりは真面目そのものでした」
甲本ヒロトに励まされて
俳優とミュージシャンを目指すふたりは意気投合、松重が撮影する映画の主役に甲本を起用したこともあった。 将来の夢を熱く語っていたのではと聞くと、鮎澤さんは苦笑いしてこう明かす。 「仲間の失敗談で笑ったり、ふざけ合っている印象しかありません。『将来、大丈夫かな』と心配で、ふたりとも売れるとは思ってもみませんでした」 普段はとても穏やかだったという甲本が24歳のとき、「リンダリンダ」を目を剥いて歌う姿をテレビで見て驚いたと言う。 一方の松重は30歳過ぎまで、「ヒロトには負けたくない」とバイトをこなす下積み生活が続いた。 「ふたりとも義理堅く、一緒に働いていた人が亡くなるたび、偲ぶ会に来てくれるんです」(同前) 作中では孤独でも、松重の心には常に当時の仲間と甲本の笑顔がある。 「週刊現代」2024年11月16日・11月23日合併号より
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