「リオでバレー人生の集大成」最後にかけるサオリンの思い
自分の課題克服のために個別練習
「リオで集大成」。そのために「ワールドカップで出場権を獲得する」。その思いがきついディフェンス練習にも果敢に立ち向かわせる。台上からサイドから男子コーチが思い切り打ち込むスパイクに食らいつく。ノーブロックで男子が力いっぱい打つアタックだ。ときに弾かれ、パワーに押され倒れこむことも。 「みんなの手は青あざですよ」と眞鍋監督。日本が勝つために自分が何をしなければならないか。選手それぞれ、それを理解した上で練習に臨む。その日の自分の目標（課題）をホワイトボードに書き、全体練習の合間に自分の課題を克服するために個別練習をする。 バックアタックが武器の迫田（さおり）は眞鍋監督が指摘するアタックの工夫に取り組んでいた。「迫田のバックアタックは非常に魅力です。日本の武器。ただまじめなので自分が向いた方向にそのまま打ってしまう。そうではなく、世界の高いブロックを前にしたときに、遊び心というか余裕を持ってブロックアウトを狙ってほしい」。迫田はネット上に設置した相手ブロッカーに見立てた人形（手）に向かってアタック練習を繰り返していた。
長岡・古賀にさらなる技術進化を期待
同じように、眞鍋監督はポイントゲッターとしての長岡や19歳のパスヒッターとしての古賀（紗理那）にもさらなる技術進化を期待する。ともにワールドカップは初めて。 「やはり長岡が頑張らないと日本は苦戦することが多い。ワールドグランプリでは高いブロックに苦戦することがあったが、左利き、スイングの速さをいかして、ワールドカップでは活躍してほしい。目標を達成するためには長岡の活躍が必要」という。古賀については、「ワールドグランプリで初めて世界のトップチームと試合をしたが、通して頑張ったと思う。アタックブロックはよかった。ただ、サーブレシーブはもう少し頑張らないと。ワールドカップではかなりきついサーブで狙われるだろうから」と注文をつけた。 「背が高いパワーのある選手が増え、男子化の波が速いスピードできている中で身長のない日本が勝つためには工夫とディフェンスしかない。最後は個々の技術」と眞鍋監督は言う。勝つためには「技術の向上」が不可欠。 スタッフも含め全員が同じ思いで、世界との差を詰めようと根を詰めている。 ワールドカップを前に「本気モード」にギアチェンジした火の鳥NIPPON。「開幕戦でいいスタートを切って、チームみんなで一つになって絶対ここ（ワールドカップ）で切符を取る」と木村。「リオの切符がかかるワールドカップ。持っている力を出したい。元気よくやりたい」と活躍が期待される19歳の古賀。 その古賀に「負けたくない」という石井（優希）も調子は上向き。「世界バレーで悔しい思いをした分、ワールドカップで頑張りたい。常に冷静にプレーすることを心がけます。今のチームは一体感があり、いいチームワークでできているので、みんなで頑張ります」とリベンジを誓った。 「FIVBワールドカップバレー2015」女子大会は22日、東京・国立代々木競技場第一体育館などで開幕。日本代表の試合は東京（国立代々木競技場第一体育館）、仙台（仙台市体育館）、名古屋（日本ガイシホール）で行われる。また、9月8日からは男子大会が行われる。
