「逃げ若」舞台の諏訪で開催 10月「南北朝フェス」 長野県
全国の歴史好きらでつくる「南北朝時代を楽しむ会」などが10月5、6の両日、「第3回南北朝フェスin諏訪―飛んで南北―諏訪湖より愛をこめて」を長野県の諏訪市内で開く。人気漫画「逃げ上手の若君」(逃げ若)の主人公・北条時行が潜伏したとされ、物語の舞台としても注目を集める諏訪を今回の開催地とした。有識者らの講演やトークショー、展示、物販などを行い、”信州の南北朝時代”に光を当てる。 南北朝時代に活躍した武将ゆかりの地で開く歴史イベント。2022年から始まり、22年は神奈川県鎌倉市、23年は群馬県太田市と福岡市で開いた。今年は、楽しむ会、一般社団法人大昔調査会、諏訪信仰の研究会「スワニミズム」、歴史イベントの企画などを行うヒストリンク(東京都)でつくる実行委員会の主催で行う。 初日は同市駅前交流テラスすわっチャオが会場。南北朝時代の信濃小笠原氏研究の第一人者で、県立歴史館文化財指導主事の花岡康隆さんが講演。漫画版「逃げ若」で歴史解説を担当したスワニミズム事務局長の石埜三千穂さんとの対談も行う。この他にも、有識者らによるトークショーやオンライン講演会などを繰り広げる。 2日目は同市大手の多目的文化施設「クリロンワークショップ伊久美」で開く。石埜さんが時行と諏訪氏の関係を解説。当時の雰囲気を味わってもらおうと、武芸者による演武も予定する。 2日間通して会場では、「逃げ若」とコラボした諏訪の歴史や同作と諏訪との接点を紹介するパネルの展示、作中に登場する信濃の豪族をイメージした「武将印」の販売も行う。
現在、テレビアニメ版「逃げ若」が放映中で、諏訪の南北朝時代への関心が高まっている。8月24日には協賛イベントの「第13回大昔カフェ」(大昔調査会主催)が伊久美で開かれ、石埜さんやアニメ版の歴史監修に協力する、楽しむ会代表の齊藤太一さん(37)=伊那市出身=らが登壇。約30人が齊藤さんらの歴史解説に熱心に耳を傾けた。 齊藤さんは「南北朝時代は小難しい、分かりにくいイメージがあるかもしれないが、フェスをきっかけに地域の歴史や歴史の奥深さに気付いてもらえたら」と期待し、「歴史好きの方からビギナーの方まで、多くの人に来てほしい」と呼び掛けている。 両日とも午前10時30分開始。チケットは、5日が一般2000円、中高生1000円、小学生500円。6日は一般1500円、小中高生500円。オンライン参加も可能。詳細や申し込みはフェス公式ホームページへ。