有名人は「整形」を告白するべき? “非現実的な美”が若者に及ぼす影響や、その透明性について米専門家が解説
以前は、タブーな話題として扱われてきた「美容整形」。ここ数年で美容整形に関する情報やコンテンツに触れる機会も増えてきた人も多いはず。アメリカのあるメディアは、メンタルヘルスの専門家たちへの取材を通して、セレブが美容整形を受けていることを正直に明かすことで人々に良い影響を与えられると強調している。 【写真】胸やお尻が巨大に!? 整形疑惑のあるカイリー・ジェンナーのBEFORE→AFTER
美容整形をする人が世界中で急増
2024年6月、国際美容整形外科学会(ISAPS)は毎年行なっている「美容整形に関する世界調査」の結果を発表。2023年は形成外科医による手術が1,580万件以上、非外科手術は1,910件で手術の増加率は5.5%に。脂肪吸引は220万件以上ともっとも多く施された手術で、その次に豊胸手術、眼瞼手術、腹部形成術、鼻形成術が行われ、非外科的手術ではボトックス、ヒアルロン酸の注入が人気だったとのこと。
セレブの美容整形に関する透明性は必要?
美容整形に関する動画をはじめとするコンテンツに手軽にアクセスできるようになり、多くの人が選択肢の一つとして情報収集をできるようになった近年。しかしネット上でセレブやインフルエンサーの姿を見ることで、“非現実的な美”を求める人も少なくないはず。 『USA TODAY』によると、2014年に発表されたある研究では、セレブを“崇拝”する人々は、「自身のボディ・イメージに不安を抱き、美容整形を受けやすくなる」可能性があることや、メンタルヘルスに悩む確率が高いことが明らかに。 このような背景もあり、同メディアの取材に応じてきたメンタルヘルスの専門家たちは、「セレブの美容整形をめぐる透明性は極めて重要」「セレブたちが体の変化について正直に話すことで、非現実的な美への期待を抑制し、より健康的なボディ・イメージを人々に与えることができる」と強調した。 実際に美容整形を赤裸々に告白しているセレブも多く、彼らの告白には世間から称賛の声も多く寄せられている。ミーガン・フォックスはこれまで受けた美容整形を明かし、コートニー・コックスは顔にフィラーを入れたことを「最大の後悔」だと語った。 もちろん美容整形は選択肢の一つであり、自身の理想とする姿を手に入れることで自分を愛せるようになったという人もいるはず。ラッパーのカーディ・Bは、整形をしたことで自信が持てたと過去に明かしている。 『culted』は、「問題なのはセレブが受けた顔や身体の整形ではなく、それらの手術を完全に否定すること」と発信しており、何らかの手術を受けたにも関わらず嘘をつくことで、針やメスがなくても“彼らのようなルックスを手に入れられる”と思い込ませていると訴えている。 さらにSNSが普及したことも、人々に影響を与えているよう。南オーストラリア大学がオーストラリアの若い女性238人(18~29歳)を対象に行なった調査によると、SNSに定期的にアクセスしている若い女性は、過剰に自分自身を批判し、美容整形を考える傾向が強いという結果も出ている。